月別アーカイブ: 2005年11月

テレコミュニケーション

人里はやがて火星まで及ぶ。
(アメリカ火星協会はNASAからスピンアウトした技術者から構成され、
有人火星計画を推進している。)
そのとき、地球人は火星を過疎地域とは言わなくなるだろう。
テレコミュニケーション(telecommuniction)とは遠距離通信技術という意味である。
(teleの語源は遠くからというギリシャ語)
テレコミュニケーションは権力というテクノロジーを排除する最初のテクノロジーである。
一部の哺乳類ではイルカやクジラのように
全地球的な規模のテレコミュニケーションを謳歌している。

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異なったリゾート

ハリウッドスターが牧場に住むように富裕層は都会で蓄財した後
人里離れた場所を求め、労働者は現金を求めて都市部に移住する。
その割合は圧倒的に不均衡であった。
この不均衡は、過疎vs過多の対立には言及されなかった。
両者は共に異なったリゾートを求めた。ゴルフ場とディズニーランドに、
そしてゲームセンターからエコロジーが排除された。結果的に、
人々は異なった理由から—–すなわち自発的あるいは強制的に——
自分が住む場所より少しでも遠い場所の人々や文化や経済を求めて交流する傾向に置かれた。
これは世界的規模の人口移動の一つの要因である。
こうして南北問題は先進国では入れ子になっている。
日本版南北問題では、一人当たりの国民総生産は平均でも約数倍の格差があり、
しかも、この格差は、年々広がっている。
南北問題とは、格差を生み出すテクノロジーの問題である。
この場合のテクノロジーとは、権力機構のテクノロジーである。
リゾートを自分の住む町や村の外部に求める限り、この格差は自動生成される。

バイオスフィアは、それ自体自律的リゾートとしてデザインされている。
重力エネルギーのポテンシャルの差と太陽光から、生命に必要な全エネルギーが変換される。

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詩人の忠告

陰鬱な時代を生きると感じる詩人ではない若い人は、
カミングズの「詩人の忠告」のとおり簡単なことを始めた。
世界は至る所で爆破されている。
真に感じるということが試されている時代を生き延びている。

 詩人の忠告                e・e・カミングズ

 詩人とは、物を感じる人であり、言葉を通してその感じを表現する人である。
 これは、簡単に聞こえるかもしれないが、実はそうではない。
 多くの人が、感じるということを考えあるいは信じ、あるいは知る。しかし、それは考えたり、信じたり、知ることであって、感じることではない。そして、詩は感じることである。つまり知ったり、信じたり、あるいは考えたりすることではない。
 誰でもたいていの人は、考えること、信じること、知ることを学べるが、誰一人として感じることを教わることはできない。なぜか?それは、あなたは考えたり、信じたり、知るときはいつもほかの多くの人たちと同じだが、感じる瞬間というのは、あなた以外の何者でもないからである。
 あなたを他人と同じ人間にしてしまうために、昼夜を問わずありとあらゆることがなされている世界にあって、自分以外の何者でもない存在でいようとすることは、その気さえあれば誰にでもできるもっとも困難な戦いをすることを意味している。それは決して終わりのない戦いである。
 自分以外の何者でもない存在でいることを言葉によって表現すること、それは詩人ではない人に想像できるより、少しだけ努力しなければならないことでもある。なぜか? 誰かほかの人がやっているように言葉を使うほど簡単なことではないからだ。われわれは皆、ほとんどいつも互いに似てしまう。そして、われわれがそうするときはいつでも、詩人ではないのだ。
 あなたが格闘し努力し、そして感じる最初の10年か15年をへてついに、もし一篇の詩の一行が書けていたら、あなたは実にきわめて幸運ということになる。
 そこで、詩人になりたいと思っているすべての若者たちへの私の助言は、もしあなたが死ぬまで感じつづけ、戦うよう努力する意志ばかりでなく、そこに喜びがないのなら、世界を爆破する方法を学ぶといったような、何か簡単なことをすべきである。
  これは陰鬱に聞こえるだろうか? 否、そうではない。
それはこの世でもっともすばらしい人生だ。
 つまり、私はそう感じている。 

 『クリティカル・パス』p.14 バックミンスター・フラー著 白揚社1998 

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ナーガである那覇 2

この決定には三つの目的があった。

(1)自由主義圏のビジネスをすべてグローバライゼーションに変換すること
(ミレニアムのローマクラブのミッションは
<Think global,Act local>であった)、
(2)工業生産力を用いた中国人の生活水準を合衆国で実証されたものよりも
より高い水準にまで引き上げる共産主義的な全計画を阻止することである、
そして
(3)インターネットによって共産圏に自由主義圏の情報とテクノロジーを
共有させることで統治する。
( IBMがパソコン事業を中国に売却した真の理由は、
インテルの驚異から逃れるという理由は表向きであり
記号のテクノロジー、特に特許制度を共産圏と共有することであった。)

情報は独占することによって支配できるが、情報は共有することで標準化される。
標準化によって、共産主義的な全計画を陳腐化する方法は
一種のハッキングによる統治である。
冷戦後の最大のポーカーゲームの幕が再び切って落された。
それは生産力ではなく、ノウハウの独占である。

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ナーガである那覇 1

第2次世界大戦が終焉した直後から開始された
冷戦と言われた第三次世界大戦開始の決定には二つの目的があった。
(1)ビジネスに資本主義を残すこと、
(2)工業生産力を用いたロシア人の生活水準を
合衆国で実証されたものよりもより高い水準にまで引き上げる
共産主義的な全計画を阻止することである。

第三次世界大戦開始の決定によって、
手持ち資金のない最大のポーカーゲームの幕が切って落された。
そのはったりのツケはいまでも日本が肩代わりしてきただけではなく、
いまでは世界第4次大戦の主要な軍事施設
(その一つが極東最大のナーガである那覇の移転基地)に組み込まれている。

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世界の自給自足地域

中国はアメリカのように稲作に変換できないのは、文化的な理由だけではない。
現代の中国人は、週5日は麺類を食べて残りの2日はお米を食べる。
インドシナ半島では、その比率は反転する。
世界の自給自足地域は、小麦の生産地域には見当たらない。
(イスラム教の世界的分布は、
ほとんど世界の稲作による自給自足地域と重なる。)

自給自足には森林を回復させなければならないだろう。
枯れ葉剤(自由主義圏では除草剤と言われる)を撒かれる前に。

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計画的陳腐化 3

しかし、燃費を改善したハイブリッドカーのように、
生産コストの半分はソフトの開発コストになり、つまり
パソコンに近づいてきているので、この古典的手法は解体されつつある。
やがて燃料電池車になれば構成部品数が劇的に減少するので、
家電製品のように生産されるだろう。
あるいは、プラモデルやパソコンのように
パーツのキット販売によって自作可能になる。
ハイブリッドカーは計画的陳腐化の最終段階である。

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計画的陳腐化 2

パソコンやビデオのような工業製品は、
大量生産によってより機能化されながらより安価できるが、
例外として自動車が大量生産されるにもかかわらず、
より高価な製品になっている主原因はこの古典的手法にある。
特にパソコンはモデルチェンジによって製品価格は下がるが、
自動車はモデルチェンジによってより高価になるという前世紀の
「計画的陳腐化」を固守している。
その結果、燃費はほとんど改善されない。

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計画的陳腐化 1

最初に生産分野で価格をつり上げた企業は、
最初にその「上昇分」を収益として自分の株主に分配することができ、
続いてその開発責任者が経済的な支配力のより高い地位につき、
個人的な富を増やすことができる。
製品価格を急騰させる古典的手法である。

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アボガドロ

18世紀の化学者 アボガドロの
「一定温度における単位体積当たりのどの気体も同数の粒子を含む」
という概念は、すべての気体の体積は温度に比例して膨張する発見
に基づいた優れた推論であった。 
同時に気体が膨張や収縮によっても
原子や分子の大きさ自体が変化しないことを前提にしていた。

しかし、単位エネルギー、時間、
そして物質あたりの工業製品の機能は加速し続ける。
工業製品の機能は、
エフェメラリゼーション(かげろう化現象)そのものである。
これが、工業製品の卸売物価が自由に吊り上げられるようになった理由である。
化石燃料のように有限な資源の独占によっては吊り上げられないのである。

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