住宅付属地

源流から遠ざかるにつれて、絶え間なく汚染されるにも関わらず、
自然農は源流域では浸透していない。
りんごやダイコンのような高濃度の農薬作物が主流である。
農薬汚染は源流からすでに深刻である。

なぜ農薬が生産され、使用されるかについて
考えたり実際に生産者に聞き取り調査などをしてきたが、
最近農薬は化学からではなく、
減収に対する強迫が作りだ出すことに気づいた。

自然農による農作物が一般的に高価なのは、
少量生産という市場経済ではなく、
生産者が巧みに減収に対する強迫を消費者にまで伝えたからである。
(実際は自然農の生産性は低下しない。
むしろ農薬や手間などの省力化によって生産性は向上する傾向にあるが、
一部の似非自然農業者は依然として意図的に
手間をかけた高級食材としての商品開発に熱中するだろう)。

一方、自給自足が都市近郊の「住宅付属地」に採用され発展するためには、
経営状況の悪化により現金収入がたたれようとも、
菜園で「とりあえずは安全に食べていくことができる」という強い不安と恐怖を必要とする。

自然農はこうした人間の不安と恐怖の克服から始まる。
その不安と恐怖の99%は
「自然農はこの楽園を一切損ね壊すことのない栽培農だ。
耕さず、肥料農薬を用いず、草や虫を敵としないところに
われわれの生命体は約束されている。」
という直観を深く疑っているのが原因である。  Y.K

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