サバイバル食品

私の観察ではミツバチは、働きバチというイメージとは違ってよほど春うららかな気候でないと外では活動しない。天気さえよければ、1日に何度も食料探しに出かけるが、雨天や霧のかかりそうな日にはまったく外出しない。しかし、このイメージが正しいのは、巣の中での労働は昼夜の区別はなく、働き蜂は実際24時間シフトで働いている観察からである。

ミツバチの巣と花畑との最短距離の飛行ルートは見事に離陸組と到着組用に上下2層に分離され、空中衝突を避けている。この分離されたルートの撮影は高速シャッタードでも不可能だ。彼らはいつも効果的に働く。今年も8月にソバの実を撒こう。ソバの花畑までが一番近いので、秋には花粉をいっぱい付けて巣に帰る風景を思い出す。
私は巣別れしないかぎり蜜まで期待していないが、ヨーロッパの養蜂家たちが自分の家族と同じような地位をミツバチに与えている気持ちは想像できる。
家族に起こった重大な出来事をミツバチに報告するという習慣は、蜜という収穫を生計のために強奪する行為を、共有する意識に転換するために自然に発生した擬人的な感情移入が関与しているはずだ。さらに蜂蜜は人類最古の甘味料であったという博物誌までこの習慣の起源を求められる。蜂蜜は保存性に優れ、ショ糖よりも体に吸収されやすいので、食料危機の場合の携帯用サバイバル食品であったに違いない。  Y.K.

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