月別アーカイブ: 2006年8月

一般化


天文学者と航海士は、任意の時刻に地球上の任意の地点から観測した場合に不変的な天体の相互配置パターンを収集して蓄積するノウハウを共同で確立していた。

才能ある直観的な船乗りは豊富な経験から、肉眼で見える任意の星はいずれも、任意の日にクロノメーターで記録した任意の時刻に、コンパスが示す任意の方向で観測者から見える地平線上の高さを角度で測定した後、球面三角法で計算すると同時に、地球上の観測者の位置をも正確に計算できることが発見された。

AとBの間には科学史的には数千年間の隔たりがある。
にもかかわらず、
われわれはAとBを除外して、いきなり三角関数を学習する社会を受け入れている。
これは、数学に限ったことではない。  Y.K

世界時( World Time)2

世界の誰かと話をするには世界時が必要である。
人間には睡眠があるからである。これは常識かもしれない。
しかし、世界時とは時計を意味しない。時計は世界時に準拠しているから。
世界のどこかに孤独に移動する場合も、世界時が必要である。
地球が太陽系を回転しているからだ。  Y.K

世界時( World Time)1

科学史では、900年頃すでに、ギリシア北部マグネシア(Magnesia )で磁石が知られていた。
1100年頃、中国で羅針盤が使用されていた。つまりすでに方位磁石が実用化されていた。
しかし、磁石が示す北極と南極は、地理上の北極、南極程度離れていて、しかも地磁気の北極、南極は小円を描いて常に位置を変えていることが人工衛星からの観測で分かった。地球の回転慣性とプリセッションから磁石が示す北極と南極は不動ではない。
つまり、磁気コンパスだけのナビゲーションだけでは、誤差が大きすぎて安全な航海を保証できない。
紀元前から航海術に天測が利用され、ジャイロスコープ*や磁気コンパスがなくても外洋航路を自由に行き来していたというテクノロジーは、地球を外部から見るという天球儀を発明した古代の神官たちの蓄積したノウハウに依存していることを現代人は理解したのである。
天測とは正確な世界時と三角関数の体系化である。正確な世界時とは太陽による隔時観測法であるが、時計のない時代の隔時観測法は北極星を中心としたの星座の回転角度から時間を割り出した。マストという鉛直線があれば十分である。  Y.K

*航空機や宇ロケットのナビはジャイロスコープ (gyroscope) を搭載する。物体に働く角速度を検出する計測器。

金貸し

この世に金貸しはつきものであるが太陽系に金貸しは存在しない。
太陽系には風があるだけだ。
太陽系を離れるにつれて次第に強い銀河宇宙線が検出されるのはなぜか。

太陽風は強大なエネルギーを持つ銀河宇宙線から地球生命を守るために、太陽系外から流入する銀河宇宙線を防御しているからだ。
太陽系には誰にも貸せない風があるだけだ。  Y.K

トルネード型掃除機

台風が進路を90度方向転換するパターンは、北極圏を中心とした大気パターンの南下から生成される。台風がこの大気パターンと衝突するには、台風の渦を形成する見えない回転軸が高度1万メートル以上に達していなければならない。台風は低気圧の雲が集合した回転体ではない。高度1万メートル以上にまで地上の大気を吸引する強大なトルネード型掃除機である。台風は吹くのではなく吸っているのだ(ただし中心部では無風に近いので、吸引と排気のメカニズムの解明が遅れている)。

台風が過ぎ去った後の都市は澄んだ大気で満たされているのは、汚染された大気が吹き飛ばされのではなく、巨大な回転体の周囲の大気が吸引されたからである。  Y.K

もう一つのハイブリッド車

フォードは、エタノールを25%混合したカソリン、エタノール、天然ガス、そして100%ガソリンの4種の燃料に対応可能な『Tetra-Fuel(テトラ・フューエル)』車を06年より販売する予定である。

これがもう一つのハイブリッド車である。
このハイブリッド車によって燃料コスト削減、少ない車自体の価格差、車種の増加をもたらす。  Y.K

『クリティカル・パス』と既製品

地球温暖化の原因は世界権力構造によるエネルギー独占、つまり埋蔵地下資源の独占から生じている。この独占が続く限り、標高差のない沿岸部での環境は今後著しく悪化する。しかし、この複雑で激しい相互作用を乗り越えて行く羅針盤はまだ発見されていないと悲観している人は多い。

ブラジルはエタノール車の先進国である。
エタノールはサトウキビから生成されるバイオマス燃料である。

ブラジル政府は、73年に発生した第一次石油危機に起因する埋蔵資源依存率対策として、
自動車燃料のガソリンからサトウキビ・エタノールへの代替を促進する『国家アルコール計画』*を75年から実施していた。
85年にはブラジル国内を走行する自動車の96%がエタノールを燃料とするようになる。
この基本計画を作成したのはバックミンスター・フラーである。*
彼は、植物という内的代謝とエンジンという内燃機関とをハイブリッド化する場合、ブラジル国内のすべての既製品を使用した。  Y.K

* バックミンスター・フラー自ら書いた当時の大統領に提案した計画書は、『クリティカル・パス』( 1996 白揚社)に記載されている。