月別アーカイブ: 2007年1月

邪悪なプロパガンダ

教育産業は、新たな教育産業に適用させるために21世紀の学校制度を排除しなくてはならない。つまり改革ではなく、リセットに近いだろう。

21世紀の学校制度とは、建物としての学校が解体される。
なぜなら、決められた時間に、決められた場所へ集まり、
決められた授業を黙々と長時間行うことが、経済的に、教育的に、
そして創造的にも効果的ではなくなったのである。

両親がこどもの教育を委任する学校制度は、
つまり両親が工場に通勤することによって成立してきたのである。
企業の工場は中国に移転するまで両親がこどもの教育を委任したように、
ホワイトカラーの仕事はアジアの諸外国に委託されはじめた。

格差社会とはグローバリズムの本当の姿である。
そしてこの事態はかつて第3の波と言われていたのであるが、
波の衝撃で破壊される村々のネガティブな実態はその予測からは意図的に除外されている。

そして今無意識にわれわれは、「私たちが必然として受け入れている認識を超えて、この世界が持っていたあらゆる可能性を試し、私たちの世界へ過去には存在しなかった何かをインストールする能力を持った個人」を求めている。
それゆえに、かつてないほど、邪悪なプロパガンダに足をすくわれやすくなっている。  Y.K

南極がない国連のロゴマーク 

国連は、60周年を経過した。

国連ロゴの使用に厳格な規定があるのは、
ロゴには国連の重要な政策問題が含意されているからである。
したがって、国連法務局からの署名による同意が必要とされる。
国連のロゴを使用する権限が与えられるのは、
その主目的が特定の国連の目標を進展させる場合に限られている。

しかし、世界の環境問題にも深く関わってきた国連のロゴマークには南極がない。これは、60年前に温暖化問題が存在していなかったからであるが、現在ではまったくロゴの精神に重大な欠陥をもたらしている。
http://www.unic.or.jp/new/unic_60yr.htm
その原因はロゴが正距方位図法によってデザインされたからである。

正距方位図法は中心からの方位と距離だけを完全に正確に表現する図法である。円形の方位図法から、全方位の全世界を描くことができるので航空機のナビゲーション表示に利用されている。
中心から90度までの範囲ではひずみは少ないが、より外周では円周方向の拡大が極端で、最も外側になると地図の機能は崩壊する。
しかし中心地点と他の地点との位置関係を表すには有効な図法であり、
局所的な中心主義には有効である。
投影中心の裏側の地点(対蹠点)は最も外側にドーナツ型に投影され、
全ての海洋はその中の湖になってしまうという重大な欠陥がある。
ゆえに、国連のロゴは、実際は南極の氷に囲まれた状態になるはずであるが、
この無意味な投影結果はロゴから意図的に削除されたのである。
そのかわり、豊穣を表す麦の穂が、世界を取り囲んでいる。
(けっして、稲作ではないことに、さらに隠れた意味があるだろう。)

国連の環境デザインおよびその政策の最優先課題に、
全地球の海岸線をより矛盾のない投影図法で
本質的に改善することが含まれなければならない。
つまり、国連では、未だに地理情報の民主化がデザインされたことはないのである。  Y.K

固体的教育カリキュラム

工業社会に適用させるために、近代の学校制度が作られた。
工業社会が必要とする工場労働の様式に不可欠な「訓練」にもっとも効果的なカリキュラムが作られた。このカリキュラムは、毎日決められた時間に、決められた同じ場所へ集まり、決められた一定水準の作業を長時間集中することだった。
工場設備が高度化されるにつれて労働者の生活水準も向上するが、不要な労働力が大量に排出されるようになると、重要なカリキュラムに従順だった労働者の家族の中から、決められた時間に一人残らずある建物に収容される、というのは直感的に不気味なことだと感じるこどもたちが現れはじめた。
そのなかでもっとも鋭敏な子供は不登校になった(私は1960年代の最初の不登校世代に属しているが、当時は不登校という概念はなかった。)

同時に、決められた時間に、決められた場所へ集まり、決められた作業を黙々と長時間行うことだけがモラルとして維持されている間に、国内では、教育された労働者を必要な場所に、必要な数だけ派遣する産業が生まれた。
一方、インターネットテクノロジーは、
毎日決められた時間に、決められた同じ場所へ集まり、決められた一定水準の作業を長時間集中することから、同時的かつ非同時的に、決められたウェブサイトによって、各自の都合で選択された課題に集中し、かつ分散できるネットワークを形成するようになった。
やがてもっとも危機的になったのは、従来の教育カリキュラムである。

暗黒時代の固体的思考によるカリキュラムである。  Y.K

流体誘導

地球はとても薄い皮膚を持っている。
そしてその皮膚はさまざまな流体を持っている。
その流体の一つが人間である。
一人の人間の血管の総長は、9万キロメートル、
地球を2周半である。
その63億人分の血管ネットワークが地球の薄い皮膚のなかで互いにうごめいている。「人類は血のつまったただの袋(カフカ)」ではないのだ。

脊椎動物はすべて毛細血管をもっている。
心臓から押し出された血流は大動脈から毛細血管を介して大静脈を循環し、肺を経由してふたたび心臓に至る。この毛細血管は閉鎖血管系にのみ存在する。白血球、血漿などが血管細胞の隙間を利用して、ガス交換・栄養分・老廃物の運搬・移動ができるのは、いわば電磁誘導のような流体誘導である。
血液は血管内に閉じこめられている、つまり閉鎖されているから誘導が発生するのだ。(毛細血管がない開放血管系の軟体動物では、動脈から流れ出た血液は、直接細胞間を経由し静脈へ戻る)。

あなたの閉鎖血管系のうごめきが他の閉鎖血管系に影響しないとは言えない。
増殖する人類の球状血管ネットワークによる無意識のサイレントコミュニケーションは、地球の水と大気という流体ネットワークの薄い皮膚の一部を構成している。  Y.K