月別アーカイブ: 2007年3月

一粒万倍(=シナジー)

イスラムの文化は稲作である。
この稲作の廃絶に、膨大な軍事費が注がれてきたのである。
日本の農地は、イスラムのようには爆弾でぼこぼこにされなかったが休耕田が拡大している。一粒万倍という富の根源が、いたるところで形をかえて破壊されている。  Y.K

暇人

フリーターは確かに多い。
しかし、貧乏で暇な人は、ほとんどいなくなった。
お金は必要だが、忙しいことにはもっと意味がある。
でなければ、こんなに多くの人が忙しいわけがない。

私の経験では、忙しいときには、思考力は衰える傾向がある。
忙しい人は、暇な人以上に老化する傾向がある。
より少なく働く自由は、貧しいと感じられる傾向がある。

フリーターがより少なく働く自由人とは限らない。
彼らはいまのところいくら増えても安全だ。  Y.K

詐欺師

金持ちでも貧乏人でも、知識があろうがなかろうが、
お金を稼ぐこと自体を目的にした職業は、すべて詐欺である。
もし、まだあなたが詐欺師でないなら、
詐欺師になる以上の苦労をしていることだろう。  Y.K

浮力

テンセグリティ球はテンション材の切断よりも風を恐れる。
どこかに飛んでいくからだ。木の葉のように。

直径11mの皮膜のない250キログラムのテンセグリティドームでさえ
5月のそよ風だけで5m移動する。
皮膜を取り付けたテンセグリティドームには、もちろん浮力が発生する。
テンセグリティドームは、風よりも太陽光を恐れる。
大気圏へと浮遊するからだ。

テンセグリティドームの設計者は船体の強度と浮力計算をしなければならない。
外洋航路の軌道をトレースするためのエンジンは、太陽光と風だ。
想像力とテクノロジーは共にワイヤレスである。

1995年、私はこの経験から浮遊都市の現実性を理解した。
21世紀の大気圏は、モバイラーの最後の自由都市だ。
そして、はじめてゆっくりお茶でも飲もう。  Y.K

天文学

天文学には観察者が必要だ。
学校の幾何学とは、裏切られた天文学の姿である。
内部と外部が存在しない平面の話ばかりである。
だから、幾何学に観察者は必要とされないまま2千年以上が経過した。
幾何学が嫌いになる歴史的理由は隠されたままだ。
いつになったら宇宙で生きていけるのだろうか。  Y.K

幾何級数

耕作地の面積を倍にしても、収穫は等差級数でしか増加しないが、植物の種を単位にして考えれば、すべての植物は幾何級数的に増加している。

稲作における<一粒万倍>は幾何級数そのものだ。
しかし、人間は必ずしも植物の種ばかりを食料としているわけではない。
カボチャと稲の違いは、食べるときの形を単位にした習慣にある。
一粒の種から見れば、幾何級数の例外はない。

「人口は幾何級数的に増加するが、食糧は等差級数でしか増加しない」
というダーウィンの視点を鵜呑みにした最初の経済統計学者マルサスに、
稲作の水耕栽培の経験はなかった。

この経済統計学の定理はその後の農業と農民を支配した。
こうして現代の日本の農民はすべての種や苗をお金で買っている。
たとえば、チンゲンサイの種を栽培することを禁じているのは
植物の種が幾何級数的に増加する事実を発見できないようにして、
遺伝子工学のお陰にしたいのだ。
光合成システムではなく遺伝子工学のユーザに置き換えるためのシナリオがある(「世界の遺伝子組み換え作物栽培面積は2015年までに世界の栽培面積は約2億ヘクタールに達する」と予測されている)

このシナリオは単純すぎる。
それゆえに、知識の奴隷化には、予め疑うことができないように
科学者を動員した単純な<定理>が必ず存在する。
こうした<定理>が、1世紀以上も存続することは稀ではない。

知識の奴隷化を維持するには、
無数の知識人が高価な報酬と引き替えに協力する社会システムを発明しなければならなかった(ダーウィンがマルサスに雇用されていた事実は無視されている)。

このシステムは、イデオロギー以上にいまのところうまく動いているようだ。  Y.K