複合系

経験はけっして基本的ではない。
経験はつねに複合化された関係(complex)を形成している。

原理の発見がかならずしも
実験数値から一般化されていないのは、
概念的な一般化は本質的にこうした経験に基づいているが
実験数値からのみ導かれる
限定的な経験主義ではないからだろう。

「全体とは、部分の総和以上のなにかである」という
概念は20世紀の複雑系(complex system)の科学哲学を生んだが、
この複雑系は複合系と訳すべきである。

バックミンスター・フラーのシナジェティクスは、
「複雑な現象を複雑なまま理解しようとする方法」ではなく
複合的な現象を複合的な経験から包括的に理解しようとする
操作主義的な方法である。

シナジェティクスは最初の複合系の科学哲学である。Y.K

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