日別アーカイブ: 2009年7月10日

サンプリング

エネルギーの変換過程という動的なパターンの意味を理解するために、
エコロジー(生態学)という概念が生まれたわけではない。
ダーウィンが持ち帰った目新しい動物たちが、
ロンドン近郊にある植物種では飼育できなかったからだ。
動物と植物の包括的な相互関係が、はじめて生物学の対象となった。
このサンプリングの手法は、
環境から自分を除外する単純なコラージュである。
初期の「何をサンプリングするか」よりも、
「自然をどんなにサンプリングしても、自然は模倣できない」
というメタフィジクスがエコロジーには不足しているのである。
エコロジーは到達すべき段階ではない。
月の引力を調整できないように。