自然の法則(natural law)

英語圏では、自然の法則(natural law )は、
自然界の法則および人間社会の法則を含む概念である。
「自然破壊」という場合も人間社会の法則を包含した「自然」を前提にしている。
つまり、法律家資本主義(Law Capitalism)も、
「自然の法則」という上位概念に基づいたイデオロギーである。
法律家(Lawyer)もまたその概念に基づいた主要な専門分化である。
これほどアジア的自然観と異なった自然(nature)の概念のもとで、
政治・経済が進行しているとはほとんどの人は想像していないに違いない。
自然界の法則を発見するのは、人間の生得的な能力の一つである。
しかし、明らかに原理(principle)の形成に人間は関与できない存在である。
自然法則(natural law)を形成する権限は、人間にはない。
そして、驚くことにこの概念を表す言葉は、英語圏には存在しない。
「自然」から膨大な富を少数が独占するためには法律が必要だ。
社会の法律と自然の法則を、つねに同じ法律(=law)という言葉で
互換性をもたせ、富の強奪のための権力を維持するもっとも効果的な方法は、
概念の牢獄化を維持し続けることである。
(政権交代などでは、この概念は破壊できないほど根深い)
言語の違いや文化の違いのまえに、
この単純な話が包括的な誠実さ(integrity)で理解できるように
われわれはデザインされているにちがいない。
自然の法則に基づいて。