最後の夏

午前中、母さんはベットに静かに横たわっていた。
そして、長い話をした。
瞳だけで返事をするのがやっとだったが
その瞳は澄んでいた。
まもなく、静かに眠りについた。
きっと安心したのだろう。
母さんが目が覚める頃、
僕は年老いた父さんと
畑のそばで
今年初めてのスイカを食べているだろう。
明日は満月だ。
母さんと過ごす最後の夏は
こんなにも一日が長い。