カッコウの動機

初夏の夕暮れに
梅雨明けを思わせる雷が遠くで光った。
しばらくして、畑の近くの見通しの良い樹の上で
カッコウがまた鳴いている。
かなり能率のいい非電化スピカーだ。
平地でも半径500メートル以上はカバーできる音量だ。
谷間ならもっと共鳴するだろう。
彼らは自然との共鳴を
恋愛にも緊急時にも使ってそうだ。
互いの微妙なさえずりの違いを判別できる
文法があるなら。
否、これは自惚れた推論だ。
<彼らにないものはわれわれにもない>と
いう生成文法こそを想像すべきだ。
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<註>ネット画像から引用した映像。望遠レンズでも通常はカッコウにはこんなには接近できない。