(続)モバイラー

人間が大地を切り売りしても
マントルに浮かぶ陸地は、
係留する必要がないほど
動的な均衡を求めて
自律的に移動する。
大陸は2億年も浮かびながら
移動してきたが
その移動の原理は
船や飛行機の浮かぶ原理よりも
遅れて発見されたのである。
太陽からエネルギーを受容するかぎり
大陸は浮かび続ける。
しかし、土地資本主義という
前世紀までの
静止的宇宙観が
多くの人々の移動を
いまも困難にしている。
そしてそれによって
人々は互いに分断されているのである。