月別アーカイブ: 2011年12月

現実

知ろうとしない生活を
買う生活に慣れてしまった。
誰も買わなかった
たった一人の悪夢が
1億人の現実を変えたのである。

価核破壊

東電の仕掛けたエネルギー独占のための価核革命は、
セシウムとプルトニウムが去ってしまうまで
気づかれないことを前提にしている。
他者に対する配慮などは存在しないことに
気づかれないために
グランチは議会制民主主義を発明したが、
加速する被曝に関する国家の情報統制は
価核破壊の兆しを意味している。

価核

原発の目的は発電システムではなかった。
価格を先に決められる社会システムである。
たとえシステムが核爆発しても。

テクノロジー

被曝の補償は
値上げされる電気料金から支払われる。
なぜなら
「コストが1兆円上がると、1キロワットあたりの電気量は0.1円上がる」から。
電気エネルギーは労働を軽減すると同時に
搾取に使われてきたのはなぜだろうか。
宇宙の諸原理を人間の生存に利用できる
テクノロジーが
ほとんど独占されてきからではない。
まだ完全に発見されていないのである。

遠隔的に

髭が哲学者をつくらないように
被曝が科学者を育てないならば
静かな絶望の生活を送るほうが
まだ哲学的である。
確実なものを失って
まだ残ることだけで
互いに結ばれるだろう。
電子と陽子のように
遠隔的に、
かつ不連続的に
かつ不確実的に。

(続)柔軟性

テンセグリティ・システムの強度や剛性は
そのシステムを構成するモジュールの強度からは
決して予測できない。
なぜなら、このシステムを通過するエネルギーが
システム自体をより統合するように
自己組織化するからである。

記号テクノロジー

農薬を散布して毒をまき散らす行為を
これまで農民が「消毒」と呼んできたように、
国家は放射性物質を単に移動させる行為を
「除染」と言っている。
権力テクノロジーが
つねに言語に介入するのは、
記号テクノロジーを制御しないかぎり
1日たりとも権力システムが
自らを維持できないからだろう。
そして
昨日、国家は「冷温停止」を
非科学的な概念で再定義したのである。
(メルトスルーした核物質の温度を測るセンサーは
福島原発には存在していない)
法衣をまとった記号テクノロジーによって
権力構造の黄昏はいまやより加速している。

柔軟性

3.11以後の社会の硬直した言語は
もっと大きな挫屈の兆しかもしれない。
テンセグリティが
柔軟な強度をもったその構造システムを
けっして挫屈しないで維持できるのは
張力材が伸縮しているからではない。
部分と全体との相互関係を
連続的な張力ネットワークによって
つねに動力学的に変位(=外力分散)させているからだ。
しかし、このネットワークを構成する張力材の伸度が
小さければ小さいほど
この機能は全体の構造をより組織化できることは
ほとんど知られていない。