脱カバー

本の帯や帯の檄文などは日本だけの習慣である。
書籍カバーに巻かれた薄っぺらい帯で
権力や権威のある者が許可を与えたり保証する
「お墨付き」を好むからだろう。
私は購入した書籍から直ちに「お墨付き」に加担するカバーと帯を
すべて取り払った状態で読む。
本屋のレジではそれらをすべて廃棄することにしている。
脱がされた本は
たいていとてもみすぼらしいが
図書館にいくとたまにこの裸の状態で置かれている。
そのままではこのタイプのカバーは
貸し出しのための耐久性に欠けているから
最近はカバーをパウチしていることが多い。
電子書籍になれば
「お墨付き」が「目次と中身」検索や読者のコメント欄に替わっていけば
リダンダンシーが高いこうしたブックデザインは短命に終わるだろう。
脱物質化によって
やっとなんとか書籍は裸文化に戻れるはずだ。