共鳴型テンセグリティ

共鳴型テンセグリティは絶えず動いている。
テンセグリティは、
自重や外力を受けると複雑に変化する不均衡を素早く動的に変換し
あらゆる瞬間の新鮮な調和を形成する過程を
連続的に視覚化していくモデルである。
破壊から逃れるもっとも効果的な方法は
パッシブな外力分散である。
それゆえに、このテンセグリティモデルに最初に出会ったとき、
条件付けられ固定化された思考形態と
決して静止することがない無生物の自律的メカニズムとの間に
絶え間ない混乱がおこるのである。
しかし、この混乱が既成の思考パターンから
抜け出す葛藤に変化するとは限らない。
テンセグリティの一つの張力材が破断すると
全体が連動して瞬時に破断する思考形態を
疑うことができないまま
この絶えず動く無生物に対する怖れに支配されてしまうのである。
絶えず動いている構造が
生存空間には不適切だと判断させる
不動産という法律概念が
数千年間におよぶ概念の牢獄を形成している。
テンセグリティを美的範疇に押しとどめる努力も
その現れにちがいない。