発明と自己規律

先行する他者のアイデアを盗作したかどうかを
判定する意識的なアイデア盗作判定方法は、
<自己を外部から見る方法>であり、自己規律に属する。

この自己を外部から見る自己規律は、盗作者の場合、
自己と他者を欺く方法として予めインストールされるのである。
そして、しばしば社会的評価に相応しい<動機付け>の捏造にまで遡る。
その<動機付け>さえ、他者の主観的な経験を盗む行為から始まっているのである。

自己規律なくして、自己のテクノロジーを外部化する発明行為は形成されない。

冷蔵庫、自動車、テレビ、パソコン、発酵工学など
21世紀の生活を支える主要な発明・発見のほとんどは、
すべて20世紀の大学の外で為されている。
この重要な理由は、21世紀でも研究されていないが、
産業をリードする発明家に相応しい自己規律は、大学ではほとんど形成できなかったからだろう。