生活器(livingry)

眼鏡は江戸時代には、眼器と言われた。
眼器を通過する光は水晶体と眼球とに相互作用する
外部化された臓器として。

20世紀にバックミンスター・フラーは、
住宅(dwelling machine)を生活器(livingry)と呼んだ。

私がバックミンスター・フラーの翻訳者として
<livingry>を最初に日本語化した1980年代初期に、
生活器(livingry)を、武器(weapony)と対比させると同時に
水晶体と眼球が眼器を通過する光と相互作用するように、
生活器は、その内部で人間が生存するための
外部化されたメタボリックな器官に近いと感じたからだった。

車の自動運転システムが、
すでに運転手を必要としない実用化の段階にあるように、
生活器は、太陽系内で自動的に相互作用する光合成のような自律的システムになるだろう。