空腹から空頭へ

本当に空腹になってから何かを食べれば何でも美味しく感じやすくなる。
同時に、本当にまずいものにもより敏感になれるだけではなく、食べない自由を自覚することができる。

頭と知識の関係もほとんど同じである。
われわれはつねに美味しい知識を食べ過ぎているから空頭にすればまずい知識に敏感になれるだけではなく
うまいまずいを超えた知識との相互関係が見えてくる。
そして、食べない自由のすばらしさを自覚できるはずだ。

そして、空腹と空頭とを同時的に連動させて学習するとそれまで未知だった物事の相互関係が
もっとも効果的に発見できるにちがいない。

650万年間、人類の圧倒的な時間は、意図に反して空腹と空頭に費やされてきた。

食欲も知識欲も満腹にさせるほど直観は機能しない。
非常事態の種族保存には直観の不在化がもっとも危険な行為だったからだろう。