月別アーカイブ: 2019年5月

個性化という身体矯正

学校における学力と
家庭における所得の階層化を通じて
個性化が求められる時代の
個性化とは独創性を封じ込めるための
一種の身体矯正なのである。
レディメイドの経験産業のマーケットを支配する
彼らにはシナジェティクスは
個性化の破壊プログラムとして映るに違いない。
自然が原理の個性化を求めないように
思考の個性化から自然は見えない。

SYNERGETICS RBF 1975
原子核のマジックナンバー

自惚れと誇張

より初期のシナジェティクスモデルを見ると
自惚れと誇張が見える。
無意識がモデリングされている。
しかしそれは次のシナジェティクスモデルを
発見した後の話だ。
原理が最初のモデルを陳腐化する。
陳腐化が試行錯誤の無限性を生む。
原理は調整できない無意識に浮かぶマイルストーンだ。

SYNERGETICS RBF 1975
シナジェティクスモデル

レイマンの生活

机の上で静かに考えて仕事するのは
専門家の生活だ。
私はスタジオでも裏庭でも動き回っている。
シナジェティクスの原理は動詞に潜んでいる。
原寸大プロトタイプは、動詞に溢れた神秘に近い。
朝露が消えるまでの間、
裏庭は机上の理論を超えて
見知らぬ庭にまで拡張している。

朝露が消えるまでの間

客観的に生きる(再考)

被曝したら
楽観主義者は
政府の検出データを見るが
悲観主義者は半減期をみる。

しかし、
結果が同じなら
主観的である。

客観的とは
それらの結果を
より少なくする行為である。

客観的に生きることが
もっとも奪われやすい世界は
主観的な牢獄だ。

この火星探査機は客観的で概念の牢獄化は主観的か

地下茎ネットワーク

シナジェティクスに憧れると
シナジェティクスを発見できない。
憧れとは
最大の他者との比較であり
すべての比較を超えなければ
内部の混乱は避けられないだろう。
ランダムに見える地下茎は、
地上の嵐で揺れ動く無数の葉の光合成を
不可視の微生物ネットワークに接続する。

地下茎ネットワーク

シナジェティクス3

バックミンスター・フラーと彼が亡くなるまで
共同研究している間、
自分の名前で論文を出そうなどとは
思ってもいなかった。
モデル言語を学べるだけで十分だった。
彼が滞在するホテルの朝食会で
彼が私に自分の名前で論文を出版すべきだと
言った時はほんとうに驚いた。
彼はシナジェティクス3のモデル言語の始まりを
予感していたのだ。

それを理解できたのは
彼が亡くなった後の
バックミンスターフラー研究所の
シナジェティクスのアーカイブを
閲覧したときだった。

SYNERGETICS 2 RBF 1979

構造の定義は変容する

シナジェティクスには日々発見がある。
テンセグリティについて昨日の発見を思い出して
ほとんど何も分かっていないことを知ると、
それだけで構造の定義は変容する。
私のスタジオは高い天井までモデルだらけで
テンセグリティに引越すしかなかったのが
テンセグリティにとって最大の変化だった。

バイダルカが外洋を航行できるように
テンセグリティは大陸の表面を航行するために
浮遊するほど軽量だ。

動く組立ライン

テンセグリティシェルターは
互いに遠隔地にいるアセンブラーとの対話と
既製品との相互関係が作り出す張力から
デザインされるまったく新しい空間構造なのだ。
テンセグリティシェルターの動く組立ラインは
外部のロジスティクスと
内部のシナジェティクスとの共存から形成される。

互いに遠隔地にいるアセンブラーとの対話からデザインされた
テンセグリティシェルター 2008 
シナジェティクス研究所 制作 構造デザイン 梶川 泰司