本邦初・完全版『コズモグラフィー』

シナジェティクスは構造デザインの手段ではなく
宇宙起源論の過程にある思考の幾何学である。
テンセグリティが観察から発見されなかった科学的方法を
編み出した後フラーレンが発見された。
フラ−レーンから細胞や放散虫の構造までを一般化する方法は
数学や生物学にはなかった。



『コズモグラフィー シナジェティクス原論』 白揚社 (2007/9/1)
バックミンスターフラー 著 梶川泰司 訳

ネクスト・エッシャー再考

エッシャーはだまし絵作家として長く誤解されていた。
エッシャーは、人々を騙したのではなく、観察者の脳を騙したのである。
私が観察者の脳を騙すための超遠近法の理論を発表した後、
エッシャー研究はまだ一般化できない錯視現象の発見に夢中になったように見える。

私は、結晶学的な3つの操作「並進」「回転」「鏡像反転」を組み合わせた
「超遠近法」という概念を発見した。
この超遠近法は、エッシャーの卓越した技法とは異なっていたが
<不可能な図形>を科学的に生成するための
ネクスト・エッシャーへの原型となった。

シナジェティクスによる表裏という3次元の回転対称性の発見は、
エッシャーにおいては、2次元でのシンメトリーを生成し、
同時に混乱を与える技法の一つであった。

☆「超遠近法で解くエッシャーの秘密」梶川泰司 日経サイエンス 2007年1月号
http://www.nikkei-science.com/page/magazine/0701/escher.html
☆「Next Escher」シナジェティクス研究所 制作 2006
http://synergetics.jp/escher/index.html
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構造とパターン

物理的なリアルな経験に基づかなくとも
物理学が学習できるように数学も理解できるように
思考する習慣から離脱し、
経験なき学習と理解を排除したシナジェティクスは
構造とパターンに関する科学である。
発見された構造とパターンは
物理的なリアルなシナジェティクスモデルに変換可能だ。

手裏剣の弾道飛行

この技法は長距離での手裏剣の打ち込みがこれまでの
「一回転打法(引用図)」ではないことを証明している。
ロケットやミサイルのような回転しない弾道飛行をさせるために
私は手裏剣専用のアルミパイプの発射台をデザインした。
標的から垂直方向に遠心力で発射された手裏剣(図示しない)は
その後地球の自転と重力との相互作用を受けて
標的にほぼ垂直に深く突き刺さる。
無回転の長距離打・手裏剣はニュートン力学の実験でもある。

手裏剣の「一回転打法」は弾道軌道を形成しない。

http://www.daitouryu.com/japanese/column/shuriken/col_aikishurikenjutsu04.html

手裏剣の軌道

窓から見える緑と風に誘われて仕事の合間に裏庭で手裏剣の練習をする。
私の手裏剣は槍のような棒手裏剣である。
10m離れた的に当てる技法は
棒手裏剣が純粋な円運動から離脱するポイントが
標的に対して直角方向に設定することに気づいた。
それはハンマー投げのリリースポイントと同じ原理だと理解した瞬間だった。
地球から大気圏外に発射されるロケットも同じだ。

SYNERGETICS RBF 1975

数学的証明

法則は証明を必要とする。
証明するための知識だけから法則は発見できないことは証明できる。
全体はどの部分からも推測できない。
シナジェティクスは経験を統合し一般化する思考プロセスに生まれる。
シナジェティクスが発見する原理に伴う数学的証明は
探求者の仕事ではない。

航海用六分儀とプリセッション

六分儀は地平座標の概念に基づいて
大円を6分割して60度に設計された。
動揺する船から太陽や星などの地平高度角を容易に測定できるるが
航海用六分儀は最初は月距を正確に測定するための装置として発明されている。
そのためには目盛り刻印機 (dividing engine) が
先行して開発されていなければならなかった。
互いに無関係な開発者たちはプリセッションの関係に置かれている。

地平座標

出典 小学館 日本大百科全書

曲率と屈折率

カーボン材やアルミパイプを一定の曲率で曲げて
物質の表面に張力を誘導する技法とその構造がある。
それは可視光線をプリズムで屈折させて
赤、黄、緑、青、紫に連続してきれいに分離する操作と変わらない。
光の波長によって屈折率が異なるように
テンセグリティの直径によって
圧縮材の曲率と振動数は可変する。
圧縮材は直線的とは限らない。

SYNERGETICS RBF 1975

可逆的な超遠近法

超遠近法はエッシャーの不可能な構造を可能な構造に変換するだけではなく、
可能な構造を不可能な構造に変換できる「可逆的な超遠近法」なのである。
たとえばテンセグリティ構造も不可能なテンセグリティ構造に変換できる。
エッシャーの「だまし絵」を3Dモデルで種明かしするこれまでの方法とは異なる。
エッシャーは3Dモデルを参考にして不可能性を描いたわけではない。

制作 シナジェティクス研究所 梶川泰司 2006
http://synergetics.jp/escher/Escher-ch4.html
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