月別アーカイブ: 2005年11月

地産地消1

地産地消とは一見エコロジー的思考であるが、19世紀までは輸送技術の問題で地産地消以外の選択肢はなかったのである。
局所的に問題が解決されることは、ほとんど効果的ではないという事実として、バイオスフィアの空気や太陽の光でさえ地産地消ではないことを思い起こせば十分である。これらはエコロジーシステムの予測できない全体のシステムを構成している。地産地消こそは<Think global,Act local. >思考の必然的な結果である。

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地産地消2

地産地消とは兵站学を裏返しにした思考である。あらゆるモノを、つまり資源とエネルギー、食料を地産地消にすれば、世界中の軍隊は短時間に消滅するだろう。地産地消とは長期的に軍隊が駐留する場合には、外部からの食料補給に依存しない場合を想定した対処法である。この種の擬似自給自足体制は、第2次世界大戦中でも経験されている。食糧難を想定した自給自足体制は、基本的な軍隊のための兵站線である。冷戦構造が終焉した後の過疎化は兵站線に弱点を生んでいる。

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耐震強度

頻度の高い乱気流に耐える航空機の構造計算を設計者が無視した場合、墜落というリスクから罰則がなくても科学的な<耐震強度>をけっして偽造できなくなっている。
しかし、耐震基準を満たさない状態の建築が施行できるのは、第2次世界大戦後の構造物が人間の寿命からみれば頻度が高くなった大地震に対して十分に適応していない国家の建築構造物の許認可制度という法律が、<耐震強度>を規定してきたからにほかならない。
死の確率の薄い人工物のデザインの革新は、常に緩やかで曖昧である。
言い換えれば、航空機では飛行のテクノロジーが基準を自主的に作り出すが、建築では大地に根ざした不動のテクノロジーや土地資本主義が、構造デザインを停滞させ死の危険性を許容してきたのである。
今後10年間の大地震が引き起こす構造物の倒壊による死亡率の予測が、航空機事故による死亡率よりも遥かに高い場合、建築のテクノロジーは短期間に変貌するだろう。

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構造デザイン2

常に振動していることを設計の前提にしているのは、航空機である。
したがって航空機は高速で飛行中に、建築の<耐震強度>を遥かに超える乱気流に突入しても気体は分解しない安全な設計になっている。ジャンボジェットは、常時500人が居住する空飛ぶマンションである。ボーイング747の場合、過去30年間飛行で機体損失事故は計30回、総計2843人が死亡している。
マンションが高価で安全性に欠けるのは、明らかに重すぎるからであり、航空機の設計法を導入していないからである。

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構造デザイン1

耐震強度を重視すれば、安全性は効率よりも優先されなければならないという世論は、耐震強度を向上させれば、構造の軽量化と経済性は損なわれるという設計思想を肯定している。これこそが、19世紀的までの重厚な構造が強度を保証するという固体主義的世界観の現れである。
航空機の構造デザインは、強度と安全性の向上が軽量化と効率化に矛盾しなかった。安全な大量輸送のテクノロジーがエコノミークラスを作り出したのである。

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贈与の両義性

お歳暮の商品券とは本質的に贈与であり、ギフトトークン(gift token)である。ギフト(gift)とは、生まれつき備わった自然に発揮される天賦の才のことでもある。しかし、贈与(gift)の起源には、人々の生活の豊かさと楽しみ、そして毒の両義性がある。実際にインターネット社会では、無料という楽しみを装った二義性のサービスがますます露出している。

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1969年

バイオスフィアにはすべての人間を養う物理的資源は十分にあったが、
地球の物理的な富を効果的に利用するノウハウという超物理的資源が不足していた。十分なノウハウを蓄積するには、再生的な宇宙を統治する知的完全無欠性を純粋に信頼し、試行錯誤による経験とシナジー的に獲得された叡智とを結合させなければならなかったが、ついにそのすべてを利用する段階に至った。
それは1969年である。

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3パーセント

冷戦構造が加速した人口爆発はまさしく、
貧困に捕らわれた人々の間で起きている。
飢えて死に瀕したすべての人間を養うだけでなく、
全惑星を取り巻く悲惨な貧困を緩和するコストは、
非共産主義圏の金融システムと共に、
世界規模の大量生産と大量流通の
あらゆる投機的企業を始動させるすべての金融資産を支配する
<システム>が所有する年間の全配当収入の僅か三パーセントに過ぎない。
この情報を決して共有しない<サブシステム>が義務教育である。

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テレコミュニケーション

人里はやがて火星まで及ぶ。
(アメリカ火星協会はNASAからスピンアウトした技術者から構成され、
有人火星計画を推進している。)
そのとき、地球人は火星を過疎地域とは言わなくなるだろう。
テレコミュニケーション(telecommuniction)とは遠距離通信技術という意味である。
(teleの語源は遠くからというギリシャ語)
テレコミュニケーションは権力というテクノロジーを排除する最初のテクノロジーである。
一部の哺乳類ではイルカやクジラのように
全地球的な規模のテレコミュニケーションを謳歌している。

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異なったリゾート

ハリウッドスターが牧場に住むように富裕層は都会で蓄財した後
人里離れた場所を求め、労働者は現金を求めて都市部に移住する。
その割合は圧倒的に不均衡であった。
この不均衡は、過疎vs過多の対立には言及されなかった。
両者は共に異なったリゾートを求めた。ゴルフ場とディズニーランドに、
そしてゲームセンターからエコロジーが排除された。結果的に、
人々は異なった理由から—–すなわち自発的あるいは強制的に——
自分が住む場所より少しでも遠い場所の人々や文化や経済を求めて交流する傾向に置かれた。
これは世界的規模の人口移動の一つの要因である。
こうして南北問題は先進国では入れ子になっている。
日本版南北問題では、一人当たりの国民総生産は平均でも約数倍の格差があり、
しかも、この格差は、年々広がっている。
南北問題とは、格差を生み出すテクノロジーの問題である。
この場合のテクノロジーとは、権力機構のテクノロジーである。
リゾートを自分の住む町や村の外部に求める限り、この格差は自動生成される。

バイオスフィアは、それ自体自律的リゾートとしてデザインされている。
重力エネルギーのポテンシャルの差と太陽光から、生命に必要な全エネルギーが変換される。

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詩人の忠告

陰鬱な時代を生きると感じる詩人ではない若い人は、
カミングズの「詩人の忠告」のとおり簡単なことを始めた。
世界は至る所で爆破されている。
真に感じるということが試されている時代を生き延びている。

 詩人の忠告                e・e・カミングズ

 詩人とは、物を感じる人であり、言葉を通してその感じを表現する人である。
 これは、簡単に聞こえるかもしれないが、実はそうではない。
 多くの人が、感じるということを考えあるいは信じ、あるいは知る。しかし、それは考えたり、信じたり、知ることであって、感じることではない。そして、詩は感じることである。つまり知ったり、信じたり、あるいは考えたりすることではない。
 誰でもたいていの人は、考えること、信じること、知ることを学べるが、誰一人として感じることを教わることはできない。なぜか?それは、あなたは考えたり、信じたり、知るときはいつもほかの多くの人たちと同じだが、感じる瞬間というのは、あなた以外の何者でもないからである。
 あなたを他人と同じ人間にしてしまうために、昼夜を問わずありとあらゆることがなされている世界にあって、自分以外の何者でもない存在でいようとすることは、その気さえあれば誰にでもできるもっとも困難な戦いをすることを意味している。それは決して終わりのない戦いである。
 自分以外の何者でもない存在でいることを言葉によって表現すること、それは詩人ではない人に想像できるより、少しだけ努力しなければならないことでもある。なぜか? 誰かほかの人がやっているように言葉を使うほど簡単なことではないからだ。われわれは皆、ほとんどいつも互いに似てしまう。そして、われわれがそうするときはいつでも、詩人ではないのだ。
 あなたが格闘し努力し、そして感じる最初の10年か15年をへてついに、もし一篇の詩の一行が書けていたら、あなたは実にきわめて幸運ということになる。
 そこで、詩人になりたいと思っているすべての若者たちへの私の助言は、もしあなたが死ぬまで感じつづけ、戦うよう努力する意志ばかりでなく、そこに喜びがないのなら、世界を爆破する方法を学ぶといったような、何か簡単なことをすべきである。
  これは陰鬱に聞こえるだろうか? 否、そうではない。
それはこの世でもっともすばらしい人生だ。
 つまり、私はそう感じている。 

 『クリティカル・パス』p.14 バックミンスター・フラー著 白揚社1998 

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ナーガである那覇 2

この決定には三つの目的があった。

(1)自由主義圏のビジネスをすべてグローバライゼーションに変換すること
(ミレニアムのローマクラブのミッションは
<Think global,Act local>であった)、
(2)工業生産力を用いた中国人の生活水準を合衆国で実証されたものよりも
より高い水準にまで引き上げる共産主義的な全計画を阻止することである、
そして
(3)インターネットによって共産圏に自由主義圏の情報とテクノロジーを
共有させることで統治する。
( IBMがパソコン事業を中国に売却した真の理由は、
インテルの驚異から逃れるという理由は表向きであり
記号のテクノロジー、特に特許制度を共産圏と共有することであった。)

情報は独占することによって支配できるが、情報は共有することで標準化される。
標準化によって、共産主義的な全計画を陳腐化する方法は
一種のハッキングによる統治である。
冷戦後の最大のポーカーゲームの幕が再び切って落された。
それは生産力ではなく、ノウハウの独占である。

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ナーガである那覇 1

第2次世界大戦が終焉した直後から開始された
冷戦と言われた第三次世界大戦開始の決定には二つの目的があった。
(1)ビジネスに資本主義を残すこと、
(2)工業生産力を用いたロシア人の生活水準を
合衆国で実証されたものよりもより高い水準にまで引き上げる
共産主義的な全計画を阻止することである。

第三次世界大戦開始の決定によって、
手持ち資金のない最大のポーカーゲームの幕が切って落された。
そのはったりのツケはいまでも日本が肩代わりしてきただけではなく、
いまでは世界第4次大戦の主要な軍事施設
(その一つが極東最大のナーガである那覇の移転基地)に組み込まれている。

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世界の自給自足地域

中国はアメリカのように稲作に変換できないのは、文化的な理由だけではない。
現代の中国人は、週5日は麺類を食べて残りの2日はお米を食べる。
インドシナ半島では、その比率は反転する。
世界の自給自足地域は、小麦の生産地域には見当たらない。
(イスラム教の世界的分布は、
ほとんど世界の稲作による自給自足地域と重なる。)

自給自足には森林を回復させなければならないだろう。
枯れ葉剤(自由主義圏では除草剤と言われる)を撒かれる前に。

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計画的陳腐化 3

しかし、燃費を改善したハイブリッドカーのように、
生産コストの半分はソフトの開発コストになり、つまり
パソコンに近づいてきているので、この古典的手法は解体されつつある。
やがて燃料電池車になれば構成部品数が劇的に減少するので、
家電製品のように生産されるだろう。
あるいは、プラモデルやパソコンのように
パーツのキット販売によって自作可能になる。
ハイブリッドカーは計画的陳腐化の最終段階である。

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計画的陳腐化 2

パソコンやビデオのような工業製品は、
大量生産によってより機能化されながらより安価できるが、
例外として自動車が大量生産されるにもかかわらず、
より高価な製品になっている主原因はこの古典的手法にある。
特にパソコンはモデルチェンジによって製品価格は下がるが、
自動車はモデルチェンジによってより高価になるという前世紀の
「計画的陳腐化」を固守している。
その結果、燃費はほとんど改善されない。

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計画的陳腐化 1

最初に生産分野で価格をつり上げた企業は、
最初にその「上昇分」を収益として自分の株主に分配することができ、
続いてその開発責任者が経済的な支配力のより高い地位につき、
個人的な富を増やすことができる。
製品価格を急騰させる古典的手法である。

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アボガドロ

18世紀の化学者 アボガドロの
「一定温度における単位体積当たりのどの気体も同数の粒子を含む」
という概念は、すべての気体の体積は温度に比例して膨張する発見
に基づいた優れた推論であった。 
同時に気体が膨張や収縮によっても
原子や分子の大きさ自体が変化しないことを前提にしていた。

しかし、単位エネルギー、時間、
そして物質あたりの工業製品の機能は加速し続ける。
工業製品の機能は、
エフェメラリゼーション(かげろう化現象)そのものである。
これが、工業製品の卸売物価が自由に吊り上げられるようになった理由である。
化石燃料のように有限な資源の独占によっては吊り上げられないのである。

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膨張と収縮

工業製品の卸売物価が自由に吊り上げられるようになったのに応じて、
小売物価と賃金、そして株式市場で売買される企業の株価が急上昇する。
メディアのいう通貨のインフレ(膨張)は、
同時に個人の購買力のデフレ (収縮)を引き起こす。
市場で売買される企業の株価が急上昇する場合、インフレは避けられない。
インフレが真の価値を上げるわけでもなければ、
生産される商品の量を増やすわけでも質を高めるわけでもない。
デフレが真の価値を下げるわけでもなければ、
消費される商品の量を減らすわけでも質を下げるわけでもない。

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あの世とこの世

ヒト、モノ、カネの三大要素から経済が分析可能だと考える人たちは、
宇宙は、92種類の化学元素から構成されている経済システムで運営され、
これまで破綻していないという現実を説明できない。
その三大要素は、
あの世とこの世という素朴な宗教的概念以上ではないのである。

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自然災害

自然は結合と解離を繰り返すること自体が自然の営みである以上、
自然に災害は存在しない。

自然災害は、
人間がある都市や建築物という構造に長期にわたって居住してみるという
ある種の客観的な生存行為が想定された場合にのみ成立する。
人口増加に比例して自然災害が増加することと、
自然環境を変化させた結果、自然災害が増加することとは異なっているが、
両者とも人工物のデザインの問題である。

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シミュレーション

真のシミュレーションとは
観察者と無関係な客体の動的な過程ではなく、
観察行為が客体に働きかけた場合の相互作用の結果である。
少なくとの素粒子の存在証明では、
物理学者自身の観察行為を除外しては成り立たない。
見ること自体、つまり粒子の衝突による破壊実験には
物理的エネルギーを必要とするからである。

素粒子の検出装置である霧箱は、観察行為が与えた
相互作用の軌跡を表す最初のシミュレーション装置である。
過飽和の気体に電気を帯びた粒子が高速で物質中を通過するとき、
その粒子は近くの分子に電気力を作用させ、
これらの分子中の電子を叩き出してイオンにする。
その粒子の飛跡に生じたイオンを核にした液化が霧粒の列として観察される。

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シミュレーション主義

来るべき自然災害を、コンピュータによるシミュレーションで
いつどこで発生するかを予告できたことは一度もない。
ある特定の場所で、発生した場合を想定できるだけである。
シミュレーション結果は局所的な警報の発令にはほど遠い。
つまり、初期条件を想定するのはシミュレーションからではないのである。
地殻調査などの広範囲な地味な人的な科学分析データの集積以外にはない。
この地味な活動は、コンピュータサイエンスの流行の課題からもほど遠い。

初期条件を想定できる場合は、
経験の蓄積からもたらされる新たなパターンの発見からのみである。

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プラトン以後

直感主義は70年代の反体制的なカウンターカルチャーがつくり出した
芸術運動にその起源がある。
どちらかといえば、直感主義に反科学主義的な傾向があったのは、
冷戦下で密かに展開された群衆を巻き込む心理作戦の一つであった。

ところが、「直観」が蔑まされているのは、
冷戦なき熱戦時代で密かに展開される群衆を巻き込む
コンピュータによるシミュレーション依存型の心理作戦の結果でもある。
(アメリカは当時のソビエトからこの神経戦のノウハウを学んだ。)
熱戦時代は、反直観主義の傾向によって、
科学的予測はコンピュータに代行できると信じ込ん込ませている。

「直観」はプラトン以後のベルグソンやハイデッカー、
そしてR.B.フラーに至るまで認識能力の一形態である。

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「直観」と「直感」

社会では、希少的で局所的な情報よりも
多数が共有している情報で判断する方が問題は少ないが、
科学では、希少的で局所的な情報から法則が発見されたことはない。
法則は、個人的な諸経験を直観的に秩序づける行為から生まれている。
この場合の「直観」は「直感」とは異なっている。

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偶像崇拝

イスラム教には偶像はない。
しかし、インターネットによるサイバーテロは、
死にゆく人たちの肖像に満ちている。
零戦のパイロットの最後の手記に涙する人たちを結びつけるように、
ビデオという動く肖像画には強力な類似作用がある。
しかも、実際の銅像とは比較にならないほどの麻酔作用がある。
それは、ハリウッドとゲームソフト産業が成長している理由でもある。
このサイバーテロの神経戦には双方の膨大な軍事費が使われている。

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アイコン

銅像がある場所で平和運動をする人たちが、
かならずしも、反戦運動をしているとはかぎらない。
たいてい武器を製造する側の人たちが銅像の寄付金を集めると言われている。

銅像は一種の偶像や肖像であり、
パソコンでいうアイコンのように、図像から類似作用を引き出すことができる。

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