月別アーカイブ: 2016年9月

ミュート機能

「流れの中で空気の中で固まっていった(都知事)」

利権構造を批判する身振りを支えるこの政治家たちの言語は、
比喩において、非科学的であり、破綻した記号に満ちている。

<空気を読む>ことに矯正された社会とメディアは、
破綻した記号群と特殊な方言を
ミュート機能(出力を遮断する機能)として
日本全域に通じる<標準語>に仕立てようとしている。

このノイズを消す沈黙する機能は
隠れた現金製造装置に変換されたのである。

直観

シナジェティクスによって
直観を生み出せるのではないかという期待は、
しばしば<自己の外部>に出るために
どこに向かうのかを何も語らないまま
現実から離脱する手段として、
神聖化された既存の幾何学にすり替えるだけで
直観には至らないのだ。

シナジェティクスは、自然と神聖幾何学を模倣しない。

<成熟と休眠>

基礎という概念は
あらゆる教育過程や社会的活動の初期設定を支配している。

あらゆる<基礎=foundation>という概念は
大地の不動性に根拠を求めてきた。
<基礎=foundation>や<根拠>は
その不動の<大地に根を生やすこと>を意味する。

——–人類のほとんどの住宅の構造が、大地から、
つまり、基礎から自立するのではなく
基礎によって大地に繋がれているように。

しかし、<大地に根を生やす>植物においては
発芽する段階に至るまでに、
種子の<成熟と休眠>の時間と段階が存在し、
種子内部での複雑な生理学的変化を生成する。

それらの生理学的過程を経由した後に、
適切な環境条件(太陽光、水分、温度、湿度など)に出会った時
種子ははじめて大地に向けて発芽する。

植物は、環境条件に出会わなければ決して発芽しないようにデザインされている。

シナジェティクスの学習過程では
<成熟と休眠>という生理学的変化を経由しない時、
<基礎知識>はけっして発芽しない。

シナジェティクスは大地から離陸した最初の<思考の幾何学>である。

矯正装置としての空間構造

農業用ハウスは野菜の品質と価格に影響するが
人間が住めない農業用ハウスは
この半世紀間、構造的なモデルチェンジをまったくしていない。

空間構造による権力側の要請に
技術面で支援するのは
許認可の範囲内で空間構造をデザインする
建築技術者たちである。
 
空間構造はもっとも効果的な矯正装置の一つである。

<クラウドナインズ>

宇宙ステーションが
無管、無線、無柱、無軌道からなるテクノロジーでしか生存できない同じ理由で
地球上の住居をデザインすることは可能だ。

トイレには外部に廃棄する配管がなく、
太陽の放射エネルギーと相互作用する包括的なエネルギー循環器が
すべての物質とエネルギーを制御し、
太陽の放射エネルギーを追尾しながら居住可能なバイオスフィアの大気圏内を浮遊する
最初の非軍事的な大気圏内部の動く宇宙ステーションとして
<クラウドナインズ>が理解されていない場合、
宇宙技術の一般化に関与していない短命で高価な住居を
もっぱら消費しているだけの
時代遅れの不動産に終わるだろう。

惑星地球における目的意識(know why)

e・食・住(energy-food-shelter)の3大生存要素を同時に供給する
モバイルシェルターというアーティファクトの実現には、
高価な材料や熟練した技術、エネルギー、多種多様な道具と作業場が不可欠である。

それに対する解決方法とその確立過程にこそ、
惑星地球におけるデザインサイエンスの目的意識(know why)がある。

生存可能な科学的方法

都市インフラに依存しない生存方法の執拗な欲求と
その方法を万人に共通のものにしようとするイデオロギーとの分裂は
デザインサイエンスには存在しない。

惑星地球以外の他の天体で人類が安全で経済的に生存できる科学的方法は
金融資本主義以上にまだ未完成である。

批判作業

新たな幾何学的事象を幾何学的な知識で標準化する代わりに
別のモデル言語で思考し、モデル化可能であるかを知ろうとする企てに
シナジェティクスが関与していないとすれば、
つまり、シナジェティクスが
シナジェティクスの思考自体への批判作業でないとすれば、
<思考の幾何学>は形成されなかった。

自己教育システム

掃除婦付き住宅は、ロボット掃除システムになり、
運転手付き自動車は、自動運転システムになるだろうが、

すべての<自己教育力を培う授業システム>は
科学的ではない。

学校および、家庭教師付き学習机は、
生得的な自己教育システムで十分である。

自己教育のプログラムとその教師は外部に存在しない。