月別アーカイブ: 2014年11月

暗黙の了解

建築の構造において
圧縮材が一つ多くても過剰を心配しない。
そもそも構造の安全率が5倍以上でデザインしているからだ。
建造コストが過剰になるような建築ビジネスは
専門技術者たちの暗黙の了解によって支えられている。
テンセグリティにおいては
張力材が一本多い方が、一本少ないよりも危険である。
シナジーが劣化するからだ。
シナジーは、自然の暗黙の了解から生まれる。

自分の経験

専門家を目指す学生は
インターネットでより有利になっている。
研究をする時間コストは明らかに経済的になっている。
もし、自分が考えたことを研究する気なら
引用文献を読む時間はほとんどなくても構わない。
誰にも似ないように思考するためには
他人の経験だけでは十分ではないが、
誰にも似ないように思考していなければ
自分の経験も存在しない。
誰にも似ないように思考するとは
誰にも似ないように感じることが
ほとんどないことに気づくことから始まる。

細胞テンセグリティ

航空機の安全性は、より軽量な構造の方が安全である。
その結果、経済的に飛行できる。
人間が製作するすべての建築構造における構造の定義は
テンセグリティの発見まで存在しなかったことが分かる。
細胞の概念とその構造が顕微鏡が発明されるまで
存在しなかったように。
そして、航空機も細胞も、生存率を向上させるために
より軽量にデザインされている。
細胞の自己増殖の過程では
テンセグリティ構造なしでは、細胞分裂時の経済的な自立性を
確保できない。

離脱する方法

太陽がない早朝に
コーヒーを沸かして飲む前に
私は幾つかの絵を描いている。
2BのHi-Uni で
できるだけ消しゴムを使わないで
数学の問題を解くときのように。
そして、綺麗ではない最初の絵を
コルクのボードに透明なピンで留める。
それらの絵はやがてコルクのボードから外される時がくる。
必ずやってくる。
現実のほうが素晴らしいから。
そして、そのボードには
無数の絵で日焼けした
残像(イリュージョン)だけが残っている。

離脱(withdraw)

このままでは
異なった場所の原発が
異なった原因で
ふたたび爆発するだろう。
自然ではなく原発が原因で
より破滅的になる社会において
住宅ローンで生きる習慣は
優先的に避けるべきである。
個人が銀行に借金する習慣と常識が
もっとも危機的な状況でさえ
生活空間からも
会社からも離脱できなくさせている。
離脱(withdrawal)とは
預金(deposit )に対する払い戻し/回収の意味である。
預金(deposit )の語源は
鉱石・石油などの埋蔵物という堆積した自然の富を意味していた。
つまり、離脱とはある場所に産みだされた
富を回収する行為なのである。

独創性(Originality)

創造的模倣とは傲慢な独創性の出発点である。
シナジェティクスの学習段階でも
すでに詭弁的な模倣が多すぎる。
シナジェティクスの目的は
自然を模倣することではなく
自然を表現することにある。
すべての学習段階は
自然を知らないことに意味がある。
学習の方法は学習内容よりも先に学習されるが故に
学習の方法にシナジェティクス的な革命理論が潜んでいる。
真の独創性(originality)は
人間独自の創造性(creativity)を否定する領域に
到達する方法を含んでいる。

自然の構造

圧縮力と張力の統合過程において
それ自体を超えるどんな目的も形成しない
テンセグリティ構造は
その統合自体が目的なのだ。
圧縮力と張力は、この自然の構造から見れば
非鏡像的で相補的で分離できない部分であり
どの部分からも全体のシステムの機能は推測できない。

道は選べない

金を稼ごうと思ったら、古い道を選ぶ。
そして、反復された思考を受け入れる。
ただ生きているだけの場所から
新しいことをしようと思ったら
どんな道も選べない。
その道はまだ存在しないからではなく
道とは名付けることのできない
まだ反復されていない思考方法だから。