月別アーカイブ: 2018年1月

宇宙の原理

「現実は、全世界に公開したあるいは公開されない官僚政治システムで
維持されてきたが、毎年肥大する軍事予算を記述する思考方法が
宇宙の原理を記述する思考言語には到達することがないならば、
再びこの現実を統括できないばかりか、
選任された指導者や受益者を有利にすることもできないだろう。」
バックミンスター・フラー 1981

無(Nothing)という未知(Unknown)

社会科学において、情報は「発信者または受信者にとって何らかの意味を持つもの」として扱われる。
「記号−意味」化された情報が世界のコミュニケーションを形成している。
コミュニケーション世界において、
「記号−意味」化された情報をもたない領域は「無意味=ナンセンス」と呼ばれる。

自然科学において、情報は意味を考慮に入れない符号として扱われる。
例えば、存在しない物は数えられないという概念を打ち破ったのが、ゼロの発見である。
「宇宙(Universe)」には、この既知なる概念のすべてが含まれる。

一方、東洋のメタフィジクスにおいては、
意味を考慮に入れない符号さえも存在しない領域は「無(Nothing)」として扱われてきた。
「未知(Unknown)」とはこの「無」を含むすべてである
(一方、コミュニケーション世界における「未知」とは、「記号−意味」化された情報の不在だけを扱っているのである)。

シナジェティクスによる「自然(Nature)」の定義では、
この「未知」と「宇宙」を含む。
この「自然」という概念の劇的な変容は、
ことごとく科学的原理の発見=既知なる符号間の新たな相互関係によってもたらされたものである。

空腹から空頭へ

本当に空腹になってから何かを食べれば何でも美味しく感じやすくなる。
同時に、本当にまずいものにもより敏感になれるだけではなく、食べない自由を自覚することができる。

頭と知識の関係もほとんど同じである。
われわれはつねに美味しい知識を食べ過ぎているから空頭にすればまずい知識に敏感になれるだけではなく
うまいまずいを超えた知識との相互関係が見えてくる。
そして、食べない自由のすばらしさを自覚できるはずだ。

そして、空腹と空頭とを同時的に連動させて学習するとそれまで未知だった物事の相互関係が
もっとも効果的に発見できるにちがいない。

650万年間、人類の圧倒的な時間は、意図に反して空腹と空頭に費やされてきた。

食欲も知識欲も満腹にさせるほど直観は機能しない。
非常事態の種族保存には直観の不在化がもっとも危険な行為だったからだろう。

公理からではなく

シナジェティクスは、幾何学ではない。
幾何学にしては、物理学的すぎ、物理学にしては哲学的すぎる。
哲学にしては詩的すぎる、そして詩的にしてはメタファーが科学的すぎる。
シナジェティクスがつねに公理ではなく経験に基づいて思考してきたからだ。
シナジェティクスほど包括的な宇宙的ドメインを分断する学派は不要だ。

SYNERGETICS
Fig. 542.02 Tetrahedral Analysis of Plato’s Triad:

寒冷バイオシステム

低温に曝されると糖やアミノ酸などが増えて
細胞の中に氷を形成しない植物の寒冷バイオシステムは、
寒冷地の農業ではほとんど利用されていない。
寒冷地のスーパーの冬野菜類のほとんどは、他地域からの輸入に依存している。

夜間零下10度以下になる寒冷地で、太陽の光と熱が昼間だけに利用される農業用ハウスでも
内部温度が零下になっても凍結しない植物は栽培可能である。
しかし、そのためには北極振動による厳しい劇的な風雪に耐える構造が必要である。

グランチの起源(再考)

グランチは、科学者ではない。
グランチは、法律家ではない。
グランチは、政治家ではない。
グランチは、宗教家ではない。
しかし、グランチは
原子物理学、電子工学、化学、
分子レベルでの合金や人工遺伝子の合成、
そして情報処理という不可視の技術に関与する
科学者と技術者を雇用し、
産業界におけるすべての研究開発
およびその製品開発を行ってきた。
グランチは、教育家ではない。
しかし、グランチは
超専門分化のための
うぬぼれと誠実さの欠如を教育する
教育システムを所有している。
人間は間違わないという
幻想に生きる社会システムによって
ほとんど何のリスクも負わない資本主義
という新しい巨大なグランチは生き残る。

原発の同時的な複数の爆発は
科学者と技術者の累積された
イニシアティブの欠如が物質化した結果なのである。

イニシアティブの欠如とは
巨人による直接的支配からではなく
高度に知的な奴隷たちの
うぬぼれと誠実さの欠如から生まれる。

一粒万倍

金利が高くなればなるほど人々は貯蓄することで貨幣をより多く手放す。
さらに、債権などの金融資産を保有することで
利子を得ようとする貨幣的利子率によって、
貨幣の最初の抽象的な互換性から遊離していく。
しかし、光合成による稲作ほど利子率が高いものはない。
子牛が生まれて群れが増殖する利子率の概念を遙かに超える稲作の利子率は
一粒万倍と言われてきた。
一粒万倍は、シナジーの余剰生産性である。
エントロピー法則への見事な反対称的な反例である。

北半球のエコロジー

栄養摂取不足の子どもの80パーセントは、農産物の過剰国(=食料輸出国)に住んでいる。
生態系の混乱と惑星破壊の原動力をアジアやアフリカでの人口爆発に求め、
ダーウインの適者生存のシナリオを認める有神論的エコロジーは
北半球の工業先進国でもっとも支持されている。