月別アーカイブ: 2012年4月

準備と防止

1つの原発でさえ、地震対策と津波対策を同時にしながら発電することは
技術的に経済的にできないということが分かるまで半世紀かかったが
そのためには3つの原発が爆発しなければならなかった。
政治家にも科学者にも「準備と防止」を委託してはいけない。
だれも「準備と防止」を同時にはできなかったから。

場所

「春のキノコや山菜食べるな」といった単なる言葉の反応が
セシウムなどにはまったく作用していない間に
食べるモノよりも
住める場所のほうがより早く少なくなっている。
食べるモノは輸入できても
住める場所は輸入できない。

節電エネルギー

発電するエネルギーのほとんどは棄てられている。
電気エネルギーを蓄積できないテクノロジーが独占されているかぎり。
天然ガスや石油・石炭、そしてウランから生産するエネルギーの節電は
使用するエネルギー量に対してであり
使用しなかった廃棄エネルギー量ではない。
電気エネルギーの節電方法は
近視眼的な政治的戦略以上に
空想に属する。

続)独創性(オリジナリティ)

何かに加工される前の原型が
オリジナリティの定義ならば、
原型のほとんどは原初(=original)に存在する。
例えば、製品の原型とは製品より先行する
プロトタイプ(母型または鋳型)のことである。
そして、産業社会の母型の形成には
言語というプロトタイプが先行する。
言語がなければどんな複製(=量産)も生まれない。

独創性(オリジナリティ)

独創性をひたすら求める時
もっとも独創性に乏しいアイデアは
独創性を求めようとする欲望を抱くことだ。
その欲望が独創性を生み出す動機にはならないのは
真の独創性ほどその欲望を打ち消す葛藤から生まれているからだ。

物質化されたシンメトリー

美とはそれがなくては
ある種の構造が自律できないような
シンメトリーのことである。
自然のシンメトリーを完全に物質化した構造は
テンセグリティと呼ばれている。
この構造の内部空間を
人間の居住スペースにする開発こそ
21世紀のデザインサイエンスの最重要課題である。

永遠の課題

永遠の課題を緊急時に、
緊急の課題を平時に考えるのは
それらは同時に考えられない特別な場合(special case)という
諸経験を伴うからにちがいない。