月別アーカイブ: 2011年1月

金融工学

科学的に無から有は生じないが、
テクノロジー的に無から無も生じない。
金融工学的にはどちらも可能だ。
マンハッタン計画は
原爆だけを開発したわけではない。
燃費の改善されたエコカーを
補助金で購入した後に
ガソリンの値上げが続くのは
偶然ではなく
経済学・会計学・数学・心理学を
統合したこの工学の成果である。
ますます
人々が小さなことで
忙しく、貧しくなるように。

最短ルート

現代では「何もすることがない状態」は
裕福な目標になっている。
あるいは
奴隷の繰り返される身近な慰めである。
真実を求めて生きている人々から見れば
それは死への最短ルートである。
ニュートンの静止宇宙観の生き残りから
離脱するには
もっと動詞を使うのが最短ルートだ。
動詞と言っても他動詞に限るが、
この他動性 (transitivity)には目的語が必要だ。
目的語は流転・変遷するための条件だから。

無為自然ーーダイマクション・デザイン(続1)

<無から有を作る>人々は
ロンドンかウォール街に住んでいる。
生命はデジタル貨幣のように
どこからも湧いてこなかった。
<無から有を作る>哲学的飛躍は
科学的思考ではなかったからだ。
ーーーーーーーーdoing more with less
の物質的極限が
ーーーーーーーーdoing everything with nothing
ならば、
人為的な行為を排し
宇宙の原理に従って
自然のままである
<無為自然>こそが
テクノロジーの極限である。
「宇宙はテクノロジーである」
この言葉と共に、
R.B.フラーの「ダイマクション」は
今もひろく誤解されている。

無為自然ーーダイマクション・デザイン(続2)

彼が定義するダイマクションとは、
Dymaxion(=Dynamic and Maximum output with Minimum input)
であり、
doing more with less
を言い換えた概念である。
ダイマクション・デザインは、
酸素との燃焼作用がまったく関与しない方法を発明しないで
二酸化炭素増加に反対するエコロジーや
より少ない排ガスや燃費を劇的に改善する
炭素ビジネス用エコロジーとは無縁である。
ーーーーーー煙突のない原子力エコロジーも
地下資源という有限な資源に左右される。
しかも核廃棄物は再生利用できないから、
再び地下に戻しているのは太陽とは異なる。

エフェメラリゼーション

発明とは何か
クライアントのための工業所有権の獲得は単純すぎる。
アイデアを陳腐化するために
残酷なほど明確にものを見ることはできる。
発明とは何か
発明を瞬時に陳腐化する
原理を発見できるかどうかだ。
それはもっとも純粋な
エフェメラリゼーションである。
残酷さからはけっして
獲得できないプロセスがある。
エフェメラリゼーションによって
発明はより単純化された無数の発明を生み出すだろう。

愚者

人はつねに迷っている。
愚者が書いて、
賢者がコメントを書くのは
まだいい関係だ。
私のコメント欄は
4年間も閉鎖されたままだ。
わたしはまだ、
自分に何かを求めている
愚者にちがいない。

言語数

人類が人口爆発するには
移動しなければならなかった。
都市の人口は移動人口である。
移動すると移動しないよりも賢くなるのは
生存技術が向上するからだけではない。
混血によって
未知の言語を習得するか
新たに創り出さなければならなかったからだ。
20世紀以後の資源戦争は
世界の言語の数を
絶滅危惧種以上に急速に減少させている。

賢者

できもしないことばかり望んで
できることをしないのは
うぬぼれだ。
できることしかしないのは
理解力の現れだ。
できないことができるまでに
だれでもできる失敗に
神秘を感じるのは
賢者の現れだ。
理解から
見事な失敗は生まれない。

SNS 

信頼をお金で買ってくれる人を
信用するビジネスから
アイデアをお金で買ってくれる人を
信用するビジネスに移行したわけではない。
まして、アルゴリズムや
プログラマーを尊敬しているわけではない。
彼らから主導権を合法的に奪う
法律家資本主義が
より高度化されただけだ。
信頼をお金に換えることから
アイデアをお金に換えるシステムに移行させた人は
そのアイデアを作り出す人ではなかった。
アプリをお金に換えるビジネスが
20世紀型の広告代理店の収益を短時間に
そして地球規模で奪うには
多国籍の縄張りを脅かすことなく
頭脳的なグランチの協力が前提になる。
しかし、アプリの可能性を理解して
無数のサーバーを分散して設置するための多額の資金提供は
ベンチャーを支援する銀行レベルでは不可能だ。
「ほとんど何のリスクも負わない資本主義」の
動機のない理解力は
お金でお金を増やすノウハウの蓄積による想像力である。
(この続きは
“http://synergetics.jp/tensegrityblog/”:http://synergetics.jp/tensegrityblog/2011/01/24/%E7%B6%9Asns/
テンセグリティプリセション)

海底原発

太陽系に
メルトダウンする原子炉は一つで十分だ。
ただし、
この天然原子炉から約1億5000万kmも離れて
すべての生命はデザインされた。
光合成はこれで十分だ。
この43億年間
ここ以外では上手くいかなかったから。