月別アーカイブ: 2017年2月

反・ブーツストラップ理論(Bootstrap Theory)

pull oneself up by one’s bootstrapsとは、
自身のブーツストラップ(編み上げ靴のつまみ皮)を使って
自らを自力で持ち上げるという意味である。

テンセグリティは、そのモデルが発見された後も
どんな足場(根拠)もない場所から
靴のブーツストラップ(編み上げ靴のつまみ皮)を自分で引っ張ってあげて
空中浮遊しようとする反物理的構造と見なされた。

実際、スネルソン:Kenneth Snelsonでさえ、
球状テンセグリティのモデル化を思い描くことが出来なかった。

では、ブーツストラップ以外のアイデアから

誰が最初に、煉瓦造りやコンクリートの固体の構造と重量の歴史から、
非固体的な方法によって
圧縮力と張力を純粋に分離して理解する可能性を求めたのか。

それは、建築家ではなかった。


誰が最初に、圧縮材と張力材の機能を互いに分離して
非同時的に作用する原理の存在を証明する実験に成功したのか。

それは、物理学者ではなかった。


誰が最初に、構造とは、不連続的な圧縮力と連続した張力との
非鏡像的な相互作用のことだと定義できたのか。

その背景を、考察したのは科学哲学者ではなかった。

しかし、テンセグリティ構造原理の発見とその理論化は
バックミンスター・フラーによって完成したわけではない。

テンセグリティは、浮遊する雲(cloud nine)のように現れてから
半世紀以上も経過したが、
まだ十分なテンセグリティモデルが発見されていない可能性がある。
テンセグリティはまだ元素周期律表のように分類されていないのだ。

目的論(teleology)

シナジェティクスが、圧政の知識、または、
建築や環境デザイン、そしてプロダクトデザインの方法になることはない。

宇宙と自己との関係を絶えず発見していく
<目的論(teleology)>であるかぎり
自己を除外した環境デザインは存続できないだろう。

絶えず非固体的

テンセグリティシェルターの方がジオデシックドームよりも
剛性が高く軽量でありながら、より安全で経済的であるのは
客観的実験からだけではない。

ジオデシックドームにおいて、それを構成する構造材の各端部は
硬い樹脂系や金属系のジョイントで相互に結合されるが、
哺乳類や爬虫類の間接においては
骨と骨を非接触にするための隙間には、ガスを十分に含む滑液が存在する。
それらの関節には非固体的な液状の潤滑剤が介在する。

骨と骨を非接触にするために
自然がデザインする張力材やジョイントは、
絶えず非固体的である。

受動性の否定

張力は、受動性に閉じ込められていた。

テンセグリティは受動性の否定から生まれた。
圧縮力と張力は、共振するために共存している。

その相互作用こそ、
気取ったり、懲りすぎた細部と技法のすべてを排除するのである。

メタフィジックスとの遭遇

「人為的な緊急事態に駆り立てられて、
宇宙船地球号に必要不可欠な原子の在庫から、
核分裂または核融合のいずれかの質量変換で搾取することで生じる
宇宙のエントロピー的なエネルギー損失は、
宇宙という複合的デザインの完全性が
地球上の人類を含む多様な生命活動の相互作用の維持を大きく妨げるいること」
(『宇宙エコロジー』からの引用)と、なぜ言えるのか。

UFOと人類との遭遇とは無関係に
直観的にそれを思考できるメタフィジックスは存在する。

人類は10歳までに
メタフィジックスに遭遇するようにデザインされている。

正常化された消費者

IoT(Internet of Things)は、
正常化の技術と
それに従う正常化された消費者群を前提としている。

正常化されたそれらの技術が、
正常化された消費者を想定するのは
正常化するための制度や権力に依存することを意味する。

正常化された消費者は
非常事態に対応できる生存のためのテクノロジーよりは
生存のための恐怖感と絶縁するテクノロジーにより接近するだろう。

モバイルシェルターの開発では
正常化された住宅やアウトドア用テント技術の
破壊による物理的、経済的、心理的解放を伴う
モバイル構造様式の確立から始まる。

階級独裁

階級権力の独裁体制のもとに生きているのは、
北朝鮮(=朝鮮民主主義人民共和国)だけではない。

地方自治体などの役員・幹部職に再就職する
文部科学省の組織的な行為は
ある階級が権力を独占することで実行可能となる。

明白な階級独裁を<天下り>という神が天界から地上に下る概念で
置き換える古い言語体系こそが
階級独裁を絶えず再生産しているのである。

武力解決の諸手段が合憲的なものである場合でさえ、
民主主義は暴力によって明らかに遠ざかりながら、
自衛されるべきだという幻想を生む装置なのである。

個性教育

個人の特性を一つの支配方法に転化する方法は
個人性の水準を下降させる教育から始まる。

こどもの個人性を
個性の水準以下に留まるように記録する方法が存在する。

そこでは、個人性を形成する必要不可欠な要素は
分類されて記録されるだけである。

成功した大量生産品に個性が存在しないように
他と区別するような性質は除外される。

アーティファクト(artifact)とは何か

見えない概念を記述し理解するには、
自然の形態を模写するのではなく、
自然の原理を発見し統合されたテクノロジーに
置換する試行錯誤が先行しなければならない。

モグラや鯨は自然の機能と相互作用できる
独自のアーティファクトをフィードバックした結果、
最適な形態を採用したに違いない。

つまり、先行するアーティファクトの模倣から
人類が直面する諸問題を解決することは出来ないのだ。