月別アーカイブ: 2006年3月

ジレンマ

良い論文はすばらしく論理的である。
論文には表れない発明や発見のエピソードは、100%非論理的である。
そのエピソードが論理的と感じる場合は、
その論文のオリジナリティは低いにちがいない。

偉大な発明や発見には、
その分野の情報を十分に知らないことが優位に導く
という奇妙なジレンマがある。
そして、偉大な発明者や発見者ほど、
なぜそれに遭遇したかは論理的に語れないことを
自らの発明や発見をする前から知っている。
少なくともこれを知性と考えるべきだ。

論理を最上位に考える根拠は、科学史には存在しない。
もちろん、科学史家はこのようには考えない。彼らは知りすぎている。  Y.K

失敗のない自然

温暖化さえ自然の理の結果である。
大気中の酸素の一定の含有率は、温暖化を引き起こすメカニズムの一部である。
自然は、人間の失敗を回復させる未知なる機能を備えている。
「自然にはそもそも失敗という概念がない」という概念が未知なのである。  Y.K

過疎VS人口密度

ますます過疎になる日本の村々の心配は不要だ。
世界的な幾何級数的な人口増加を食い止めているのだから。
それよりも海岸部での人口密度の増加によって、
深刻な汚染を増加させていることのほうがよほど心配だ。  Y.K

恒星

株や金を貯めて、何もしないで食べていこうと人間が増えても
周囲が暗いままなのは、
できるだけ貯めて、できるだけ与える太陽のように
自分自身で光を放つ恒星になるしかないエントロピーの法則に
反しているからだ。

宇宙エネルギー銀行のエネルギー総量は増えも減りもしないのだから
エネルギー変換過程にすべての価値が潜んでいる。

惑星地球では、お金は必要だが、見えないエネルギー銀行ほど重要ではない。  Y.K

過疎vs過密

脳の機能が意識をつくるという心理学の最近の発見によって、
「興奮するからアドレナリンが増加するのではなく、
アドレナリンが増加するから興奮する」ということが証明された。
ならば、「過疎だから寂しいのではなく、
寂しいからより過疎」になったのである。
過疎は行政機能や生活の利便性の低下からますます過疎になるのではなく、
もともと寂しい村の人間関係が子供たちを都市に向かわせたのである。
では都市はなぜ過密なのか。
寂しいからより寄り添うようになったのである。  Y.K

無為

私は朝5時前に起きる。
そうすれば、一日に3つの異なった時間が出来る。
 
最初の2つは、考えて仕事をする時間と考えなくてもいい仕事をする時間だ。
3番目は、それらを忘れるための無為な時間。
20歳代は1番目の時間形成には2番目の仕事以外は支えられなかったが、
この頃3番目の時間が1番目の時間を作り出す関係にやっと気が付いたからである。
この場合、必要な仕事で生きていないこと自体を考えるのは、考えて仕事をする時間に属する。

しかし、これを持続できる人は1500万人に一人以下の割合である。
あらゆる職業(なくても誰も困らない職業も含めて)は有限であるが、
必要な仕事はまだ無数に存在している理由を説明するかぎり、
この割合はけっしてデタラメではないのである。  Y.K

辺境

一見して過疎には何の希望もない。
しかし一つの希望もないということはあり得ない。
より地理的な辺境に接近できるのは、
絶滅危惧種は過疎化でもっとも少ないお金で保護され、 
ネット社会でますます希少価値が発生することを意味する。

BSE問題で、イギリスはこの方法による自然保護の先進国になった。  Y.K

ブログ

ある人はブログを好む、なぜならばそれがなければ怠惰だから。
ある人はブログを憎む、なぜならばそれを書いたのは自分だから。
そして、どちらでもない人がブログを読んでいる。
これは素晴らしい関係だ。  Y.K

検索

ネット社会に過疎はないことと、過疎を恐れないこととは違う。

サーバーはナローバンドの過疎地の外に置くべきだが、
過疎地にパソコンが一台もなければ、
googleによる検索に必要な世界の30万台のサーバーとは
まったく関係しない。  Y.K

フキノトウ

冬眠から目覚めた熊は最初にフキノトウを食べる。
フキノトウは春のことしか考えられないデザインをしている。
寒さに耐えるように、ツボミを何重にも苞が取り巻いている。
だから一斉に生えるのだ。  Y.K

ヘリウム

昨日は終日雨で川は恐ろしいほどの雪解けの濁流で渦巻いていた。天然温泉も閉鎖されていた。ナビに誘われて、霧と残雪が未だ深い1200mの頂上付近の山小屋ロッジで『クリティカル・パス』を読んでいる少年に出会った。
そして、名前を聞く前に、「1895年ヘリウムが発見された。ヘリウムガスは、地球上ではひじょうに乏しい。水素と同様気体であるが、水素のように可燃性ではない特質がある。ヘリウムは、社会理論上は、すべての人の所有物であるけれども、もっぱら工業のためだけに利用され、一般には利用できないが、月には豊富に存在する」という興味ある内容を聞かせてくれた。
私は、ヘリウム3は天然には僅かしか存在しない。その理由として元素の稀少的存在には短い半減期が付きまとう元素の存在度について話した。
彼は、ヘリウムを使った超伝導について調査している時に図書館でこの本に出会った。高校には行っていないと言っていたが、オタクでもニートでもなかった。
ヘリウムは誰かに独占できるわけではないという視点から私が知るどの年代の少年時よりもニヒリストではないと確信できる。
共感能力に年齢はない。  
コーヒーを飲んで彼と別れた後、遊牧民の中学生が衛星インターネットと太陽光パネルの付いたPCで勉強しているテレビの映像を思い出した。そして遊牧民の少年たちが俳優のように見える印象と重なる。
共感能力に富んだ彼らには生きるための自発的な視線があるだけなのだ。

高度1200mでのコーヒーは、ヘリウムの存在度よりも低い希有な香りに満ちていた。  Y.K

帰農 VS 帰工

退職後は、帰農によって、自分の食べ物や身の回りのものを自分で作れる生活を人間の原点にできると考えるならば、
帰工によっても、自分の家や自動車、そしてパソコンを自分で作れる生活を人間の原点にできるはずだ。

農業はもっとも長い歴史をもつテクノロジーである。  Y.K

ロシア加盟店

リバティーもフリーダムも
アメリカ合衆国が量産する正味期限切れがない無印特産品である。
地球上のどこからでも買うには、ユニバーサルを誇る加盟店規約にサインすればいい。
あとはCIAが生涯保険をかけてくれる。
今なら特典は衛星インターネット付き。
お見逃しなく、そこのハイブリッド車に乗っている中国人も聞いてるかい? 次は中国加盟店募集だ。   Y.K

停泊するアルチザン暮らしも3年目だ。
そろそろ水に馴れてきた。
政治的に経済的にそして電子的に解体され孤立した
村落の暗い未来も水に流そう。
ここで確認できるのは、人間もほとんどが水で構成されているということだ。
ロシアや中国から強烈な季節風がやってくる。
私の体の水分のほとんどは、豪雪をもたらすこの気象のお陰である。  Y.K

棲み分け

農薬は有害である。
しかし、農薬がなかったら、収穫できないと反論する。
彼らは、そういう品種とシステムを使うことに罪があるとは考えない。
品種とシステムは農業を生業にしない大企業に雇用された、
信頼できる科学者たちがデザインしているから。

高価な自然食品を購買できる彼らは、たいてい世界の主要都市にいて
自分の開発した商品をできるだけ自分や家族の胃袋に入れないようにしている。
グローバリゼーションによって、こうした都市と農村のモラルの棲み分けは
ますます拡大している。  Y.K