月別アーカイブ: 2007年9月

エネルギー奴隷度

人間の筋肉労働エネルギーは
惑星地球全体で日々使われるエネルギーの 0.1%にも満たない。

農業でさえ、150俵程度を収穫するまでの稲作の実働時間は、
せいぜい延べ10日間である。
労苦の減少と共に、人間の痕跡とエコロジーは除去されている。

快適さの神話は、エネルギー奴隷度を加速してきた。
太陽エネルギーから化石エネルギーと原子エネルギーが代行したままで。

しかし、エネルギーメータを排除するテクノロジーは存在する。 Y.K

自然発酵

稲刈り前に台風による大雨がふると
稲の品種によっては、倒れた穂が地面に接してしまう。

そして条件が揃えば、稲は発芽したり、
自然酵母が付着して、発酵してお酒の臭いが漂う
田んぼになることがある。

その稲を食べた人が
アルコールを効果的に造ることを思いついたにちがいない。
お酒という概念が、最初の発見者によって発明されたかは
それほど重要でない。

同じ理由で、どぶろくは自然発酵によって簡単にできる。
6月の気候と温度は、放置するだけの自然どぶろくには最適である。
稲にはもともと乳酸菌と酵母が含まれる。
この乳酸菌の生成する乳酸が雑菌の発生を抑え、
麹の分解酵素により生成される糖を酵母菌が分解し
アルコールが生成されることは
自然の相互作用(プリセッション)である。      Y.K

ドメインサービス

短絡的思考法は
論理性を犠牲にする傾向がある。

しかし、料理、自動車の運転、パソコン、洗濯機や掃除機などを利用する生活で
なぜそういった装置が有利に機能しているかをわざわざ知る人は、
ますます少なくなっている。
テクノロジーとは、物事を短絡させることで発展する。

ガイアの利用法において、
大気や海はありふれた流体で、境界線が固定できなかったので
大地が最初に領域化され、もし所有できなければ互いに奪うものであった。
これが人類が短絡的に思考した
初期のドメイン(=完全土地所有権)サービスであった。

ガイアが、なぜわれわれに有利に働くかを探求する科学者は
ごく最近までいなかった。
ガイアとは、人類に物事を短絡させてきた究極のテクノロジーである。

ガイアの真のドメインサービスは、石油資本が独占する1億6千年前に遡る
地下資源の完全所有権よりも、
人類の定義域を完全に超えた
重さのないエコロジーシステムに移行していたのである。      Y.K

公務員

サイト(site)とは用地や敷地、そして職を意味する。
位置を与えられるという意味にもなる。

お金のかかる最大のオフィシャルサイトは戦場である。
そこでは、自分の誕生日をでっち上げる人々が
死者の数や戦費も加減できる。

戦争はオフィシャルな公務員の仕事だ。
だから、テロ対策特別措置法に基づいて海上自衛隊が
インド洋で行っている給油活動での実際の給油量も
入力時には自在である。
イラク戦争に「転用」するためにオフィシャル入力が考案された。
しかも単位はガロンやバレルだ。
そもそもそれらはヤード・ポンド法であり国際基準でないはずだ。
少なくともNHKのニュースではメートル法に返還して報道されるべきだ。
(イギリスはすでに国際単位系に移行し、ヤード・ポンド法の単位は
2000年から禁止している。ただし、軍事産業はいまもすべてヤード・ポンド法だ。)

戦場に行かない公務員のオフィシャルな仕事には、
「オフィス(Ofiiice)」(マイクロソフト)が使われている。
日本全体がいまや戦争のオフィシャルサイトと考えるべきだ。      Y.K

オフィシャルサイト

オフィシャルサイト(official site)と称する企業や個人のサイトは無数にある。

たとえば、オフィシャル・バースデー(official birthday)、
つまり公式誕生日は英国では国王の誕生日の儀式で使用されてきた。
その場合、実際の誕生日とは一致しないことがあっても構わない。
王様が事実のでっち上げをする場合は、公認されれば事実になる。

みんな王様のまねごとが好きだ。
王様気取りの個人のオフィシャル・サイトやブログは無数にある。 Y.K

複雑系

ガイアが人格的すぎるという理由から、
<地球システム>と言い換えることさえ、躊躇してきた科学者は
「複雑な現象を複雑なまま理解しようとする姿勢」を尊重してきた。

しかし、発見された自然の原理は、どれも単純だ。
この単純さは複雑系と矛盾する。
まだ複雑系に厳密な定義は
存在しないと言うことだけがわかっている。
つまり、これは単純な話だ。         Y.K

中毒患者

オンラインゲームによるインターネット中毒患者が
急増し、次々と急死している韓国のニュースを見た。

低速インターネットしかない
日本の田舎(農水省では中山間地と定義する平野部ではない傾斜地)では
インターネット中毒患者はあり得ないことだ。

この猛暑と残暑のなかでも、
景観事業と称して抜け目なく配給される補助金のために、
草刈機の2気筒エンジンの排気ガスと共に
発生する騒音と振動の虜になった
草刈り中毒患者のニュースが
海外に配信されるのは時間の問題だ。

稲の原種はアジアやオセアニアに自生していた雑草である。
元は熱帯原産であるから、
雑草の栽培(粘土団子)に稲の野生種を混ぜれば、
地表温度を低下させるもっとも効果的で
経済的な地球温暖化への防御システムとして
採用されるだろう。

砂漠化の科学的な防御方法にかかるコストを思えば、
雑草を繁殖させるコストが不要なのは幸運なことに違いない。
雑草を敵に回した石油系の末路は、減反であるが
雑草こそ増産すべきである。

都市と農村が一様に亜熱帯化して砂漠になろうとしているときに、
日本の里山の原風景が失われるなどどいったセンチメンタルな文化的議論は
小さな話である。
世界の植生からみれば、
雑草は日本列島が誇る希少性の高いバイオマスである。   Y.K

代理人

鮎が群れをなして川底の苔を食べていた。
鱗は絶えず光っていた。
秋の川は一番澄んでいる。
収穫前の稲に農薬は控えられるからだ。
だれでも無駄にお金を使わない。

稲は本来的に水を浄化するが、農業は河川を汚染する。
きっと鮎だけではなく、稲でさえ収穫されるまで
農業と戦っていたに違いない。

自然農米を食べたことがない農民でも稲作ができるように
自己教育の経験がない教師(=代理人)が教育をするから
子どもは学校で直観的にシステムと戦っている。   Y.K

風景の自由化

21世紀のグーグルは半世紀前の憲兵の監視行為を陳腐化したが、
世界中の風景が自由化されているとは言えない。

グーグルは第2次世界大戦中から世界権力構造が所有し利用していた
地理学情報を球状に映像化しているだけである。
グーグルマップの解像度は軍隊が許容した限界解像度である。
現在の軍事衛星は、Tシャツの文字を判読できる。

自動車のナビに続いてグーグルマップのお陰で
天測航行する船乗りや宇宙パイロットでなくても
地球を外部から見る習慣が身につく
陸路での最初の航海者になる。
あるいは
死の危険性をともなわない最初の傍観者かもしれない。

ただし、傍観者には鮮明な記憶は与えられない。 Y.K

半減期の風景写真

父は、14歳の時から風景写真を撮り始めている。
74年間の3万枚近いアーカイブのデジタル化のための
環境の準備はほぼ完了した。
メガネを新調し、補聴器もテスト中だ。

熱によって、ひどく損傷した状態から呼び戻されたネガフィルムは
スキャナーの専用のフィルムホルダーよりもやや収縮していた。
これらの白黒ネガフィルムの整理をしていて、
1940年代から戦後までの数年間、
いっさいのヒロシマの風景写真がほとんど記録されていないことを知った。

広島は軍都として機能していたので
宇品港などの軍事的な重要拠点を分析できる
山の背景や海岸線などの地理的情報を含んだ映像を
たとえも個人的な興味に基づいた撮影行為が目撃または密告されると
憲兵にあっさりと逮捕されたらしい。

そうした当時の社会的状況のなかで、フィルム現像されたまま
これまで一度も引き延ばされたことのなかった風景は
デジタルプリントする直前の記憶と完全に一致していた。
半世紀前の現実に舞い戻った父は、いつもよりも若く見える。

ネガフィルムに眠るヒロシマは、
まだウランの核分裂により生じたセシウム137が
青白く光りながら強いガンマ線を発する半減期30年間の
すべての変容を受け入れている。      Y.K

集団的子宮

教育課程でもっとも残酷なことは
教師によって意図的に黙認される
無知ではないだろうか。

あるいは
経験を無視して、無数の定理を記憶しただけで
褒められることである。

シナジェティクスを学ぶことは
この〈集団的子宮〉から速やかに
脱出(=ステップアウト)することである。   Y.K

資本と失敗

プランクの定数のように
ビジネスの資本は、有理数的に増減しない。
だから捏造され増大しなければならない。
でなければ、失敗者と定義される。

理解のための定数は、失敗である。
その原因にはつねに神秘がパッケージされている。 Y.K

キセワタ

台風の最中のちょっとした晴れ間に
裏庭で焚き火をした。
天の川のように煙が流れ、
河鹿のように夜鳥が鳴いている。

明日はきっと新しい友人が
キセワタを見に来るだろう。

裏庭の絶滅危惧種は、
この夏いつもよりも凛として咲いていた。     Y.K

モデリング

都市では、
われわれの体内も滅菌され続けているが
滅菌で異臭を絶つことはできない。

肉食をする都会人が断食するとかなりの異臭を放つ。
体内に蓄積された老廃物が皮膚けではなく、肺、口内、腎臓、膀胱、大腸などの臓器からも、
排泄されることに関連している。

肉食によって、
頭脳だけではなく腸などの内蔵で思考していることを体験できる。

そして、精神作用は活発になり、新鮮な思考やアイディアが浮かんでくる。
断食は精神の最良のモデリングである。 Y.K

裏庭

都会のマンションの一室で
ペットが死んで数ヶ月間放置されると
厚い壁で隔たった隣人でさえ
ドアの隙間や換気口から漏れてくる異臭を感じるだろう。

私のアトリエのすぐ後ろに
そびえる1200m級の山脈に連なる裏山に棲む
熊や鳥やイノシシ、うさぎや狸、そして昆虫たちと
その他のすべてのいきものの数と体積は、
人間よりも大きい。
彼らは森の中で生まれ、自然死してきたが、
森の散策で異臭を感じたことはない。
森はいきるものたちの香りで満たされている。

都市全体は、
地表と地殻に潜む名前のない無数の昆虫や微生物たちを
短期間に死滅させて、
1千万人分の生活臭や腐敗臭が漂う
裏庭のない閉じた惑星として販売されている。

一瞬たりとも消臭剤や滅菌剤,
そして除草剤なくして、
この小さな惑星は管理できないのである。 Y.K

開発費ゼロ

宇宙という言葉は誰でも知っている。
遠い星々の話は無害だから。

しかし、その宇宙が開発費ゼロで
資本主義も共産主義も確実に破壊する
(つまり大黒柱という権力構造を無化する)
エコロジーをデザインしたのである。 Y.K

原理

エコロジーという言葉は誰でも知っている。

石油系がつくり出した「地球に優しく」といったうぬぼれた行為も
そう長くは続かないだろう。
なぜなら、
エコロジーは、人類にとってもっとも未知で危険な宇宙的原理である。

エコロジーは、
エコロジーに違反すると
核兵器よりも効果的に人類の滅亡を達成する
見えないそして、重さのない再生的な相互システムだ。 Y.K

銅像の忠告

二宮金次郎が薪を拾って売り、その金で勉学をしたのは事実だが、
かつて小学校にあった銅像のようなスタイルで山道を歩くことは
実際に危険であり、ほとんど不可能に近い。
しかし、1世紀後も働きながら勉強できるという忠告だけは生き残っている。

本当に思考すれば働くことはできない。
本当に働けば思考することはできない。
アクセルを踏みながらブレーキをかけるように、
働きながら思考する場合のエネルギー損失は膨大である。

働きながら思考することは、教科書の範囲を超えないだろう。
まして独創的で自発的な思考には生活費を稼ぐ行為は破壊的である。

現代の二宮尊徳は、優秀な奨学生になることによって
労働から一時的に解放される環境が与えられる。
しかし、権威ある奨学金でさえ
将来における数百万円にも及ぶ莫大な利子を含む返還金であり、
成績を担保に入れた借金システムである。
二宮尊徳像はこの習慣を隠蔽することに利用されてきた。
税収奪には好都合なアジア的勤勉さと受容的態度が
置き換えられたにすぎない。

発見の喜びをもって自発的に学習できる環境が最優先されるための
真の奨学制度を与えるべきである。
学ぶとは99%の自発的な環境の整備である。 (マリア・モンテッソーリ)  Y.K

理解

本当に現実化(realization)することは、
現金化(realization)を伴うことである。
そのことを人々は理解(realization)と呼んでいる。

そして、これが人類がつくり出した
もっとも危険な哲学であることは証明されつつある。 Y.K

マクドナルド派

ブッシュの地球温暖化対策を理由にした
バイオエネルギー戦略で
予測どおり輸入トウモロコシは高騰した。

以前、ある洗浄機システムの設計のために、
小中学校の給食の現場を調査したことがある。
驚くことに90%はつねに廃棄されていた。
給食を完食することはかっこ悪いことだった。
彼らはマクドナルド派なのだ。

残飯を排出しないために、
調理前の穀類を鶏や牛、そしてブタが食べれば、
調理エネルギーや輸送コストを削減できる。

さらに、田舎の大気汚染の元凶でもある
休耕田などの雑草を燃やすのを止め、
草食動物の飼料にすることは、
地球温暖化対策である。

間違った理由から、
つまり理解しないでも
人々は正しいことを選択している。   Y.K

オオカミを飼い慣らして犬にしたように、
オオカミは人間の赤ん坊を育てて、オオカミ人間にできる。
だが、お互いに変わり果てるのだ。

熊は人間を育てたりしない。
だからまだ森で生き延びている。 Y.K

夜空

天の川も見えるほどに、水蒸気は去っていた。
千キロも離れた台風によって雲の動きが反転して、
いつもになく、星がすばらしくきれいに輝いていた。

人工衛星よりも多く見える
流れ星に願いごとばかりしても
夜空もつまらないだろう。

夜となく昼となく降り注ぐ日々100トンの隕石は
私たちの脳には見えないだけだ。
 
夜がなくても星々は輝いている。    Y.K

消費者または徴兵要員

アメリカから脱出した超国家企業は、
産活動における資本の所有権と生産による所得の
60パーセント以上を所有することで支配している。

超国家企業は、人間のコミュニティを、
潜在的な顧客か消費者または徴兵要員だとしか考えていない。

日本国の憲法9条を変えたがっているのは、
自民党やアメリカ合衆国だけではない。

しかし、情報化時代といえども、
こうした超国家企業の過半数はまったく知られていない。
情報化に膨大な投資をしているのは彼らだからだ。   Y.K

反擬人化

3匹目として拾われたジョジョは、
赤ん坊のように切なく鳴く猫である。

猫が長い間人間に飼われて習得した
コミュニケーション技術なのだろうか。

擬人化は人間の想像力を介在したメタファーであるが、
猫の擬人化のテクノロジーかもしれない。

1000万年前からいる猫にない才能は
ずっと遅れて誕生したわれわれにもないならば、
ジョジョのように切なく鳴く物まねの達者な
人間の赤ん坊もいるはずだ。     Y.K

明室作業

毎週かつての暗室でフィルム現像を手伝っている。
視力と体力の衰えた彼には化学反応の管理が厳しい暗室作業が
もはや困難となったからであるが、
最近のデジタル技術では暗室は不要だ。
このあたらしい明室作業(Light Room)は、彼を虜にした。
彼は明るい窓際でいつでも作業を中止できる。

長く保存状態が悪化したまま放置され、
なかば諦めかけていたネガフィルムのデジタル現像が始まった。

ひどく損傷を受け光学的な現像処理では回復不可能と思えた無数のフィルムが、鮮やかにフィルムスキャナーとデジタル補正技術で蘇った時の彼の驚きは名状しがたい。
いったいフィルムにはどれほどの情報が記録されているのだろうか。
モニターに魅入っていた彼は、その瞬間「すばらしい!!」と叫んだ。
私は生まれて初めて彼からその言葉を聞いた。

広島弁が達者な人にはもっとも似つかわしくなかった言動以上に、
それは写真の歴史と概念を塗り替える決定的な事件であった。
デジタル現像では暗室でのフィルム現像と引き延ばし操作が同時にできる。
そして彼はその瞬間に紙焼き技術では不可能な表現技術を
即座に見抜いていたのである。

そこには戦後の時系列的な風景画のドキュメントではなく、
明晰な表現者の視点が再生されていた。
彼は記憶の再生と共にエネルギーに満ちていた。

半世紀ぶりに映像化されるこれらのすべてのネガフィルムに関する
正確な場所と当時の気候や時間、そして使用したカメラとレンズなどの
メタデータの記憶とキーワードタグは88歳の老人とは思えない。

原爆ドームの熱で歪んだ鉄骨の頂部から見下ろした
夕暮れのスラム街に投射される自らの陰鬱なシルエットは
彼の30歳代の代表作の一つになるだろう。

初めて映像化される半世紀前のアーカイブは
老写真家の初めての個展となるに違いない。

私は直ちにこの写真家のアシスタントとして
数万枚のスキャンに耐える高性能なフィルムスキャナーを注文した。
そして、彼のスタジオまでの往復300キロのドライブのために
ipodのFM用のトランスミッターを購入した。

これらのすべてのプロセスは
私にとっては親子関係を超えた明室作業だ。 Y.K

見えない軍隊

主観的には
本当に貧乏な人は絶望し、
本当に裕福な人は与えてばかりいる。

統計的には
これらは南北にそれぞれ居住する人類の傾向に見える。

経済的に、
この関係が改善される見込みがないのは、
その利益率が最大限に達しているからにちがいない。

そして客観的に、
与えるためには奪わなければならない。

さらに民主的に、
奪い続けるためには見えない軍隊が動員される。     Y.K

ライセンス

美術学部にマルセル・デュッシャンはいなかったように、
哲学科にバックミンスター・フラーはいなかった。

確かに彼は建築学部がいたが
建築のライセンスは持たなかった。
ライセンスは分断された社会的配列に関する
厳格さを装った境界線である。

有給の職業に意味や構造の革命を期待すべきではない。  Y.K