月別アーカイブ: 2010年7月

バンパー

バンパー機能のない自動車が存在しないように、
iphoneにバンパー部品が最初から
製品に組み込まれていないのは
基本的デザインではない。
それがなければ、
衝撃でより壊れやすいからだ。
形態美がバンパーの装着で破壊されるよりも前に。

料理

よりおいしい料理を作るには
よいレシピを見てからつくるよりも、
作ってからレシピを考えた方が自然だ。
最初に書かれたどんなレシピも
読まれたのではなく
つねに発見されたのだから。

鉱脈

熟練した科学者でさえ、
アイデアの金鉱脈から去ってしまうまで、
そこにいたことには気づかないものだ。
まして、金鉱脈の中で息絶えたならば。
デザインサイエンスは
金鉱脈から脱出した後の
行動学である。

モバイル講義

同じ講義はほとんどできない。
誰に話すかによって話が変わるのは
話す相手から話を見つけるからである。
同じテーマでも相手が変われば
理解の仕方も変わる。
さらに同じテーマでも話が変われば、
しばしば、講義中に新しい理解を発見できる。
これらはすべて非同時的である。
講義にノートを利用する教師は
同じテーマの同じ話が同時に理解できると考えている
退屈なファシストだ。
ほとんどの学校が同じ場所での同時性の収容所になっているのは
イギリスの産業革命時の工場労働者の
生活様式のままだからではないだろうか。
(私はワークショップ以外は、スカイプでいつも講義をするが
私と学生がそれぞれどこにいるかはほとんど重要ではない)

理解していない話を理解できないのは
新しい話は存在しないからである。
古い話に分解するだけである。
 
新しい経験を理解させることは
ほとんど不可能に近い。
無数の類推と類似から
ほとんどの話は伝達されている。

最後の夏

午前中、母さんはベットに静かに横たわっていた。
そして、長い話をした。
瞳だけで返事をするのがやっとだったが
その瞳は澄んでいた。
まもなく、静かに眠りについた。
きっと安心したのだろう。
母さんが目が覚める頃、
僕は年老いた父さんと
畑のそばで
今年初めてのスイカを食べているだろう。
明日は満月だ。
母さんと過ごす最後の夏は
こんなにも一日が長い。

標準

人間が昨日より今日、
そして日々変わり続けるには
才能とエネルギーが必要だ。
いっさいの標準を破壊するために。
自然はもっとも少ないエネルギーで
標準(=ノーマル)を変える達人だ。

奴隷

あと何日で完成するか。
やってみなければ分からないと考えている人は
ほとんど誰かの奴隷である。
すくなくとも知的産業社会では
もっとも重要な富をすでに奪われている。

非対称性

時間は主観的により加速している。
いくら長生きしても、
最初の20年が人生のもっとも長い経験だとしたら
後半の20年は人生のもっとも短い時間だ。
なぜだろうか。
数百万年間も人類は
最初の長い経験の過程でほとんど死んでいる。
そして、
前世紀からの著しいこの非対称性から逃れるために
娯楽と戦争を発明したのだろうか。

モジュール

既存のデフォルトと戦うことによって、
モノゴトは変えられないだろう。
日々、出荷され続ける現実を変えるために、
既存の概念を陳腐化するほどの
モデルの発見に挑戦する意味を感じるかどうかだ。
その過程に従事するための個人的環境こそが
最初の小さな現実(=モジュール)になるだろう。
部分には全体は宿らないにしても
実在するモジュールは相補的なモジュールを必要とする。
それ以外の方法で
人為的なデフォルトの出荷は排除できないだろう。

問題と方法

ある問題に遭遇した場合に
解決するべき
より困難な、より包括的な、より鋭敏な
問題として捉える方法は、
最初の問題をも解決する方法に変換できる。
同時に、関連した諸問題を生成する方法が
もっとも問題を効果的に減らす方法かもしれない。

外から

若者は用心深くなっている。
国家を見て老後のことを考えているからではない。
われわれにはかなりの選択肢が与えられているが、
自分を外から見るテクノロジーがまだないからだろう。

半減期

ヒロシマのウランの核分裂で生成された
セシウム137の半減期は30年である。
半減期とは、放射性核種あるいは素粒子が半分程度崩壊して
別の核種あるいは素粒子に変わるまでの時間である。
放射性同位元素セシウム137はコバルト60のように強いガンマ線を発する。
体内でカリウムと置き換わる危険な元素である。
半径1.5キロ以内で被爆した母は、奇跡的に生存し、
この半減期を家族の成長ともに過ごした。
兄弟のなかで私は母から一番手紙をもらった。
これから手紙を書こう。
この手紙が病院に着くころ、私は母の傍にいて
最後の手紙を読んで聞かせているだろう。

計画的過去

未来を変えたいとき、人は計画を立てる。
計画は絶えず作り替えられるが、
同時に過去も変容する。
過去の変容こそが現実化される。

教師

いかに自分を教えるかによって、 もっとも学べるのは、
自分のなかに優れた教師がいるからだ。
しかし、彼はだれよりも無学だ。

束縛

束縛を受けていない電子は
他の粒子との相互作用から生まれた概念である。
物理的な自由は、
すべての強制をにくむ行為からは生まれない。

相補的な機能

圧縮と張力、
この分離と統合はテンセグリティの本質だ。
これはテンセグリティに関するもっとも単純な
メタフィジックスである。
言い換えれば、圧縮材には圧縮力を
張力材には張力のみが作用するとき、
その構造は張力によって完全に統合されていることになる。
さらに、この非鏡像的で相補的な機能が
互いに純粋に分離されないかぎり、
構造はけっして doing with moreを達成できないことになる。
これまで、この分離と統合の概念は
「分割と統治」として間違って置き換えられてきた。
あるいは、
「分析と総合」「微分と積分」と言った認識方法からは
テンセグリティはついに発見されなかった歴史を説明できる。

既製品を使え

「既製品を使え」
とバックミンスター・フラーはいった。
第2次世界大戦後、毎年数十万種の化学物質が合成されてきた。
しかし、宇宙の既製品とは有限な92種の化学元素である。
大気中よりも地下資源の元素の独占を優先したグランチが
もっとも怖れているのは、
宇宙の92種の元素の存在比にしたがった利用と再生である。

見返り

原理は論理的に発見されないことを
理解できるほど頭のいい人が
実際に原理を発見できないかもしれないのは、
非論理的な思考を排除した見返りに
頭の強さも失ったからだ。

過剰なコト

肥満に対して防御しにくいのは
長い間人間が飢えていたからである。
過剰情報にたいして防御しにくいのは
あまりにも長い間
個人に真実が閉ざされていたからである。

詩は一行の情報量がとても多い。
優れた幾何学モデルも情報量は多い。
しかし、発見されたシナジェティクスモデルには、
情報量を減らすシンタックスが包含されている。

浪費

構造物は物質の浪費によっていっそう単位あたりの強度は低下する。
テンセグリティは一種の合金である。
真の構造では単位あたりの強度は飛躍的に増加する。
浪費は大地に不動を前提にした建造物によって
社会化されてきた。