月別アーカイブ: 2011年5月

手間

生きるとは、
死ぬほど手間のかかる時代になった。
そうしない人間が増えすぎたからだろう。

飼育革命

プルトニウムを食べるほど
無知な奴隷はいなかったが、
プルトニウムを食べさせるほど
飼育された人間もいなかった。

非人格的な方法

物質をエネルギーに換える方法を学んでも
その代価を払わないで
効果的な殺戮の道具にした歴史から、
そして
第二次世界大戦の後、
電力産業は原子力計画の資産全体を〈無料で引き継いだ〉歴史から、
そして
基本的な操業コストの絶え間ない削減と料金の絶え間ない値上げとを組み合わせて
莫大な利益を生んだ発電ビジネスから、
そして、
電力市場の独占のための原子力を利用した〈公益事業〉から
つまり
エネルギーをお金に換える巧妙な課金システムを運営する連中から、
そして、
将来的に化石燃料とウランが枯渇することがわかっていた連中の
超国家企業という巨人(グランチ)の非人格的な方法から
いったいどんな誠実さを期待できようか。
われわれはまだこの非人格的な方法に
ほとんど不慣れであるが
誠実さと絶縁した強欲な法律家資本主義は
すでに半世紀前に確立されている。
すべては、
原子力エネルギーの開発と同期していたのである。
参照 
☆リンク 
犬のしっぽ 2011年4月16日
“鉄腕アトム “:http://www.two-pictures.net/mtstatic/2011/04/post-1930.html

菜園場

幼少の頃の私は
歯茎から出血のつづく原爆症に苦しむ母を
理解できなかった。
母は被曝をあまりにも重要な人生の一部だと思っていたので、
ほとんどその話をすることができなかった。
私の家族は四季を通じて
豊かな家庭菜園場にある井戸水で暮らしていた。
いま思えば、
そのときでさえ、
家族全員の内部被爆は続いていた。
その共同の菜園場は
爆心地から5キロ以内の
父が建てた小さなバラックに隣接していたから。
セシウムは
核分裂によって
はじめて
人間の人生よりも短く輝くことができる。

非物質化

兵器の用途開発は平常時に進む。
利害関係で動く人間の無関心が
被曝を確実に
時間的に地域的に
拡大できることがわかった。
これは非物質化した核兵器に等しい。

傍観者

学問には
人格を反映する利点がある。
ずるい人間をいっそうずるくする。
緊急時の学者たちは
こどもたちに放射性物質を食べさせるプロセスの
冷静な傍観者になれる。
それには
超専門的な知識と訓練が必要である。

人工気象

人工地震のことが囁かれている。
少なくとも
ヒロシマの黒い雨は
雨天の日に降ったわけではない。
核爆発によって、
都市での人工気象が発生したのである。
その後の人工気象では
黄色い雨もできるようになった。