月別アーカイブ: 2011年6月

モバイラー

動物は一生のほとんどを
安全な住処で過ごしている。
より安全な場所へ動くからだ。
人間だけが自宅を大地に
固定したがっている。

カッコウの動機

初夏の夕暮れに
梅雨明けを思わせる雷が遠くで光った。
しばらくして、畑の近くの見通しの良い樹の上で
カッコウがまた鳴いている。
かなり能率のいい非電化スピカーだ。
平地でも半径500メートル以上はカバーできる音量だ。
谷間ならもっと共鳴するだろう。
彼らは自然との共鳴を
恋愛にも緊急時にも使ってそうだ。
互いの微妙なさえずりの違いを判別できる
文法があるなら。
否、これは自惚れた推論だ。
<彼らにないものはわれわれにもない>と
いう生成文法こそを想像すべきだ。
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<註>ネット画像から引用した映像。望遠レンズでも通常はカッコウにはこんなには接近できない。

衰退期

被曝した人間は二種類に分裂する。
言われたようにはしないで
これ以上被曝しないタイプと、
言われた通りにして
より被曝していくタイプだ。
人間も国家も
これ以上衰退しないだろう。

被曝を超えて

環境だけではなく
事実も広範囲に被曝してしまった。
さらに
事実を支える言語も
そして、
言語を支える想像力も
内部被爆したから
真実はあっという間に
メルトダウンしてしまった。
唯一の生き残りのチャンスは
この閉じた構造から
数千年間の絶望を
自らの思考力で
メルトスルーさせることだ