日別アーカイブ: 2016年12月5日

ユーティリティとエンジニアリングと、 そしてシナジェティクスとの空隙を埋めるもの

シナジェティクス的思考の黎明さは
20世紀を代表するヨーロッパの哲学者や
アメリカ国内の数学者たちの言及を遠ざけるほど
独創的であった。

見失った思考体験をそこに再現するためではなく、
モデル言語の様々な可能性に近づけるための原型的思考方法を
バックミンスター・フラーが開示したのは
1940年代である。

テンセグリティ・ジオデシックスから
派生する種々のユーティリティとエンジニアリングと、
そしてシナジェティクスとの空隙を埋めるのは
幾何学にはない原型的思考である。

ジオデシックス理論よりも前に
テンセグリティ原理を発見した
非論理性と論理性から未知の領域を侵犯するフラーの思考の黎明さは、
現在の教育システムや幾何学的党派性からは
けっして複製し再生されないように企てられたのではない。

それは素晴らしい言語の機能ではないだろうか。
宇宙の結合と解離の不変的システムを理解し、再生するために
発見された言語の特性なのだ。

起源論的思考

シナジェティクスにおける起源論的思考は、
幾何学にはない。

批判であると同時に存在論的であるような、
形態と数字の相互作用から
思考形式に及ぶ本質的な探査は、
ギリシア幾何学を起原としない。

驚くことに、この起源論的思考は
アインシュタインに始まる操作主義的な哲学的系譜として
『コスモグラフィー』(バックミンスター・フラー著、梶川泰司訳 白揚社)まで考察されなかった。