月別アーカイブ: 2007年8月

動く共鳴箱

板間で寝っ転がって本を読んでいると
ヒグラシが部屋に飛んできて鳴き始めた。
何という音量だろう。
物悲しい秋の気配とはほど遠い。

あんな小さな空洞のお腹が共鳴箱になっているだけで
耳をつんざくような音響効果をもたらす原理を解明すれば、
最小で最軽量のラウドスピーカーができるだろう。
しかも低音から高音まで澄んだ音域を再現できる。

これらのモバイラー用の昆虫型共鳴箱は、透明であるばかりか
特定の振動板ではなく、直接に振動体の一部として共につねに機能している。
そして、彼らは樹木に対して点接触であり、
場合によれば飛行しながら音源を増幅できることを考えれば、
これまでの固体的据え置きスピーカーボックスとは本質的に異なっている。
ちなみにipod用としてロック音楽専用の
クマゼミ型スピーカーも開発されるだろう。
もちろん、電車内では使用禁止だ。     Y.K

うるう年

だれも月の裏側を地球から見たことはない。
つまり、月はかなり正確に地球を周回している。
うるう年が月の運行とのずれを補正するために挿入されるのは、
月の正確な運動がカレンダーの基準として採用されたからだ。
ではなぜ補正する必要があったのか。
カレンダーと季節がずれると種まきや収穫の時期に損失が生じたからである。

地球温暖化は過去にないほどカレンダーと季節をずらしてしまっている。
農業は周期性に依存する。そうでない農業は化石燃料に依存する。
温暖化は政治経済的ではない決定的な食料危機をもたらすだろう。   Y.K

天才

天才には2種類ある。
私がやっていることはあなたにもできるというタイプと
私がやっていることはあなたにはできないというタイプである。

そして後者のタイプは、クラスには少なくとも一人はいる。   Y.K

ガイアシンフォニー

宇宙に無限の生命力が存在するというマインドを
科学の対象外にしたまま、
人類はエコロジーを発見した。
そして、人類なしでエコロジーは持続するだろう。

これは上映されないガイアシンフォニーのシナリオだ。   Y.K

原子核

資本主義も共産主義も核を持つことを前提としている。
これ以上単純な構造は他にはないだろう。
そしてこの構造をわれわれは異なったシステムと呼んでいる。

ただし、自然は原子核を構成するシステム以外のシステムを
核兵器には採用していない。     Y.K

クリアタイプ

私の父は被爆者であるが、 88歳でまだ健全だ。
彼はデジタルフォトに挑戦するフォトグラファーだ。
21世紀の写真は、デジカメからフィルムスキャナー、パソコンとプリンター
そしてフォト用紙のすべての操作を必要とするが、
彼は体力を理由に暗室での作業からの撤退を決意した。
デジタル作業工程では現像という化学反応と違っていつでも休める。

しかし、印画紙に変わる印刷用の光沢紙は染料を求めている。
デスクトップの画面のようにプリンターまでクリアタイプが主流となった。
バーチャルな現実を見るには光沢と色彩というメガネが強要される。そして、遂に3台目のマットブラック顔料を使用する大型プリンターを購入した。
彼はマットな白黒表現が好きで、色彩を重んじているからだ。
その願望を実現するにはデジタルのハイエンドユーザを意味している。

彼の視力はかなり低下したが
液晶画面ではなく、ファインダー付きのデジカメにこだわっている。
父の健全な記憶力と好奇心は、
このファインダーによる見る行為に基づいた記憶方式の習慣と考えられる。

ファインダーなきデジカメは
裸眼の視覚体験から遠ざかる傾向にある。

Photographとは
観察者がハロゲン化銀の不透明性を
非同時的に裸眼で確認する「光で描く装置」である。
これはプリミティブな写真の原点だ。
彼は11歳の時にカメラの原理を体験した。
彼はこの3年間不透明な顔料インクのプリンターを待っていたのは
この体験に見合う道具を求めていたからだ。

自然界にそもそもデスクトップや染料インクのような光沢は存在しない。
光沢は本来表現のための部分である。
主観的体験を光沢タイプに変換するためには
意識的なレンダリングが行われるが、
この規格化しすぎた翻訳調は、ユーザの暗黙の了解からではなく
表現者の選択肢の一つでなければ、
「光で描く装置」にはならないだろう。   Y.K

休暇

効率と速度を最優先して
休暇は海外のビーチで紫外線を浴びている連中は
10年前の週末は、
車を洗車してワックスがけをしていた連中である。

効率と速度は、真の性能(または機能)とは無関係である。       Y.K

クマゼミ

バイオマス運動が権力機構と対立するエコロジー運動であった例はない。
なぜなら、バイオマスエネルギーの利用は燃料電池のように
積極的に燃焼の化学から離脱し、
二酸化炭素を介在させないテクノロジーで、
地球の表面温度を低下させる方法ではないからだ。

バイオマスが地球温暖化に効果的だとしても、
使わない農地を森に返すほどの効果も期待できない。
化石燃料の矛盾を縮小させる
権力の下請け機能の部分を担っているだけである。
下草ばかりを刈って杉を植えすぎた里山を管理するほどなら
広葉樹の森に返すべきだ。

そして、あとは静かに待つことに耐えられないなら、
熊のいなくなった里山を捨てて、
クマゼミよりも鋭敏に、そして予測的に
もっと北に移住すべきだ。    Y.K

キノコ雲

台風やハリケーンは原理的にはダイソンの掃除機と同じである。
螺旋的な渦型の流体が回転し、
排気と吸気の連続的サイクルを自己組織したメカニズムを
維持するのは、太陽エネルギーか電気エネルギーかの違いがある。

この作業仮説から、原爆にも排気と吸気があることになる。
強大な爆発の後に、吸引された建物の破片や水や
車、そして無数の焼けこげた死体はハリケーンのように回転しながら上空に運ばれる。
台風の排気の高さは高度1万メートルに達している。
(同時に乾いた上空の空気は螺旋を描いて下降する。)

キノコ雲は、正確に螺旋の回転体である。
高濃度に吸引された放射性物質は
こうして新しいタイプの積乱雲として移動した後に黒い雨になった。
これまでの黒いキノコ雲は外観のみの形態しか表していない。

現在ヒロシマ原爆資料館で上映されている
ヒロシマの上空で核兵器が爆発するCGのアニメーションは
この原理をまったく無視している非科学的なアプローチである。

空中で爆発させた核兵器の使用は日本での僅か2例だけである。
透明なダイソンの掃除機を展示した方が
リアルに見せかけたCGよりも具体的で現実的である。      Y.K