月別アーカイブ: 2012年8月

<観る>について

1番目の目は
2つの眼球から
視覚的情報がインプットされる。
2番目の目は
五感から生じる包括的な直感から
視覚的情報が統合される。
3番目の目によって
人間は知識ではなく経験を統合した
直観から獲得される
非視覚的な原型を初めて観ることができる。
原型は人間の内部にもあるからにちがいない。

沈黙のために——-8月6日を終えて

沈黙に耐えられないのは
ざわめきに満ちている
未来の自分に出会うからだ。
あるいは
記憶で塗り固めた過去の幻影からの
逃避に過ぎないからだ。
沈黙は過去からのどんな連続性も与えず、
どんな陰も投影しない。
そして
未来からどんな光も反射しない。
静寂すぎる森に充満している
光と影以上の
太陽系の沈黙に出会うことはないだろう。

極地

夕日が水平線に隠れるまでの
もっとも長い夕暮れと
水平線から太陽が輝きはじめる
もっとも長い朝がやってくる同じ場所は存在する。
なぜかだれも暮らせなかった
その場所こそ極地だ。

エネルギー宗教

「原子力はもっともクリーンで無尽蔵なエネルギーである。」
このことに半世紀間、毎年、ほぼ5000億円の維持費を費やしてきた。
 
自己の目的を実現するために
彼らは計算づくで人を欺く。
他人に取り入るために
正義を装うことに使われてきた富は
産業を支えたのではなく
新たな巨大宗教を形成している。
核によって支配されながら
成功を追い求める奴隷たちのための。
その宗教では
テクノロジーを不誠実さを拡大する道具として教育している。

黒い雨

本当の被爆とは
被爆者に被爆の知識がなかった半世紀間だ。
爆心地から半径5キロ以内の
インフラが破壊された市街地で
多くの市民は井戸水で暮らしていた。

原発技術者

原発の安全性は原発技術者以外にはわからない。
だからこそ
政治家は核の専門家たちに安全性に関するすべての権限を
譲渡したのである。
ただし、
核兵器を開発する軍産複合体(Military-industrial complex)によって
原発技術者を完全に組織した後に
この軍産複合体に譲渡されたのである。
実際、原発技術者にはどんな権限もない。

最終実験

生物学によれば
人類の出現は自然選択(natural selection)の結果である。
人類が自然エネルギーか、ウランを含む地下資源に依存するかの選択は
権力者たちは今のところ主に経済的な諸条件を優先するための
人為選択(artificial selection)に
属しているかのように振る舞っている。
しかし、
生存を賭けたすべての選択は
本質的に自然選択(natural selection)に属する。
なぜなら
人類という哺乳類による
エネルギーの在り方に関するすべての意識的かつ無意識的選択は
太陽系に適応できるかどうか
つまり、惑星地球に降り立った人類の存在理由に関して
最終実験の段階に突入しているからである。

長くなる夜

満月の夜
裏庭の樹に吊した
ハンモックで眠るほど
美しい長い夜はない。
森に続いた渓谷から
朝靄がにじり寄るまで
乾いた青い夜空に
浮かんでいよう。

有用性について

シナジェティクスは
有用性からの逃避ではない。
孤立的で閉鎖的な活動ではなく
完全に今日を生きるときにこそ
理解への厳しい冒険が生まれる。
世界とそのあり方を理解することは
有用性の極限に違いない。

現実について

皮肉にも電子的なテクノロジーによって
同時的な「全世界」は
つねに致命的に遅延した現実を扱っている。
ほとんどのメディアは
現実に起こっていることを
時間の外に追放する放射エネルギーによって
その遅延を意図的に引き起している。
知ることは
あるがままの現実を
時間に包含させる重力エネルギーだ。