月別アーカイブ: 2017年11月

非平行に共鳴するテンセグリティ

原子核を構成する核子は平行に並ぶことはない。
つねにスピンしているから。

3組の平行な圧縮材からなるテンセグリティも
構造を形成するために一瞬たりとも平行に並ぶことはない。
つねに共鳴しているから。

一筆書きの張力ネットワークから構成された
正20面体に接近するテンセグリティには特に強い張力が必要だ。

張力がつねに一筆書きで連続する<6struts-tensegrity>は、
バックミンスター・フラー研究所で1981年に梶川泰司によって発明された。

シナジェティクス研究所制作
構造デザイン 梶川泰司

ロボット

監視し管理され、訓練しながら矯正する環境から
人間を逃亡できないように仕向けるテクノロジーこそが、
生産性と有用性を維持するためのこれまでの労働を
ロボットが完全なまでに自律的に代行するための前提になる。

個人に注目する社会は、ロボットに注目し始める。
個人よりもより利益を拡大できるから。

エネルギー変換効率

建築の単位体積あたりの重量・エネルギーコストは、
植物の有機体システムを構成する細胞単位あたりのそれらと比較されたことがない。
さらにエンジンの燃費は、決して植物の光エネルギー変換効率と比較されない。

テンセグリティ・シェルターは
植物の光エネルギー変換効率と初めて比較できる生存空間のためのテクノロジーだ。

新たなテンセグリティ原理

私は「張力は、増大する半径に対する円弧または弦に影響し、
圧縮力は、減少する半径に対する円弧または弦に関与する」新たな機能を発見し、
2008年8月に直径6.5mのテンセグリティシェルターで証明した。

張力材と円弧状の圧縮材がともに連続する構造とパターンは
バックミンスター・フラーのテンセグリティでは概念化されていなかった。

新たなテンセグリティ原理の実験のために、圧縮材も張力材も共にカーボン材が使用された。
基礎部を不要とする半球状で自律する構造の総重量は、30キロ未満であった。

構造デザイン 梶川泰司
制作 シナジェティクス研究所

直径6.5mのテンセグリティシェルターは、
2008年11月、ノースフェイス40周年を記念して青山の<スパイラル>で展示された。

共鳴テンセグリティ( Resonated Tensegrity)

あらゆる原子核は共振している。
共鳴テンセグリティは、構造安定性を映し出すミクロとマクロを繋ぐ鏡である。

原子核が外部からの共鳴電磁波を吸収して飽和するように
テンセグリティは、外力を分散しながら
構造自体をより強化するように共鳴する。

共鳴しない楽器が楽器ではないように
風で共鳴しないテンセグリティは構造ではない。

テンセグリティの美しい共鳴音は、
風と張力材だけではなく圧縮材との相互作用の結果である。

自律的テンセグリティは、浮遊するバイオスフィアと共鳴する。

共振する2点間距離

圧縮材が互いに非接触に形成されたテンセグリティモデルにおいて
隣合う圧縮材の端部が形成する2点間距離(=張力材の長さ)を
意図的に縮小させると、全体の球状の張力が増大する。
同時に、テンセグリティモデルの半径も増大する。

一見、常識に反したこの現象を再現できるテンセグリティモデルは稀だ。
テンセグリティを自律させる張力がまだ十分でないからだ。

床に落下させてもバスケットボールのように
バウンドしても破裂しないテンセグリティには、
張力材の長さの精度とネットワークパターンが関与する。

振動は、地震によって人々に恐怖を与え続けたきたが
テンセグリティの張力材の2点間距離は、共振によって持続し維持される。

裏庭

真冬の裏庭にインストールされる小さなシェルターから
外に出かけることはないだろう。

移動可能な小さなシェルターは、植物と共に
太陽を受け入れる最大の受容器なのだ。

裏庭のシェルターは、世界中の太陽と交信できる。

世界中の海は、移動型の光合成型シェルターで満たされている。
彼らは、裏庭の先住民である。

Fig. 203.09 Examples of Geodesic Design in Nature.(RBF)

シェルター(shelter)

シェルター(shelter)は、貝殻(shell)と移動体(trum)の合成語を語源としている。
危険や脅威から逃れ、待避する安全な場所を形成するための遮蔽手段を意味している。

シェルターは、体積、重量、コスト、耐久性に関する人類の要求を
一語で表している最重要な用語である。
概念からプロトタイプまで、つねに科学的に注目すべき基本条件でデザインされる。