月別アーカイブ: 2018年11月

概念の実験

電子と陽子は同時に発見できなかった。
電子が1899年に発見された後、
陽子は1911年の原子模型で初めて概念化され1918年に発見された。
相補性は思考の中で最大の非論理性として立ちはだかっている。
陽子と電子は鏡像ではなかったからだ。
物理的な相補性は概念の実験によって確立された。

自然の精神分析

物質の相互作用は統合された状態でマインドに働きかける。
予測の限界に対する自然の精神分析によって、
破壊の限界を遙かに超える合金・テンセグリティは
シンメトリー構造を獲得した。
構造とパターンを具体性に置き換える自然は
安全率を付加的ではなく多重化し
遂に美を超えて非物質化する。

SYNERGETICS RBF 1975
Circuit Pattern Tensegrity

小が大を兼ねる試行錯誤

大は小を兼ねる。
同時に、小が大を兼ねる関係が生まれる時がある。
小を構成する最小限のモジュールから全体が出現するための
システムを構成する論理的方法は
部分から全体も、全体から部分も推測できない
非論理的な試行錯誤の後に発見される。
この非論理性は自然にありふれている。

最小の球状三角形が球面のほとんどを覆うことができる。
SYNERGETICS RBF 1975
The Greeks defined a triangle as an area bound by a closed line of three edges and three angles.

思考方法の基地(camp)

この国で何かを学ぶと鬱病になる。誰かが盗んだ方法だから。
今はどこにいてもいるだけで鬱になる。
つねに動的にモバイルするだけでは不十分だ。
起源を超えて動的に思考しなければ、
兵器の中継基地、プルトニウムや石油の備蓄基地、
そしてグランチの思考方法の基地(=camp)は
いつでもどこにでも作られるから。

動的均衡の起源

1944年バックミンスターフラーによって
ベクトル平衡体(Vector Equilibrium)が発見されるまで
「動的均衡」という概念は生物学には無縁であった。
さらに1951年インフルエンザの正20面体状のカプシド構造を
初めて電子顕微鏡で確認した先端的な分子生物学は
その存在を生命として定義できなかった。

ウイルス粒子は1個の細胞から約1000個以上生成可能

直観を鈍らせない方法

3DCADからバーチャルすると直観が鈍る。
優れたシェフのレシピを見てレストランに行くのと同じだ。
シナジェティクスのモデリングは手からの直観だ。
概念と素材の加工方法から新たな概念が生まれる。
素材とそれらを加工する道具に触れない方法は短命だ。
しばしば素材や道具さえも発明する機会を逸している。
操作主義のモデリングに秘法はない。

自然のウイングレット(主翼端翼)

主翼の端部に発生する激しい渦は、
空気抵抗となって機体の推進力を低下させる。
翼端渦の気流を拡散しさらには推進力に変換するのが
小さなウイングレッド。
空気抵抗を抑えることで燃費を向上させる機能は
コハクチョウから学んだ方法だ。

風と舵を切るTrimtab

「風を切る」は「舵を切る」と同義であり
より「舵を切る」ために進行方向を変える効果的な道具(Trimtab)がデザインされる。
モバイル・シェルターは「風を切る」ために球状にデザインされ、
進行方向を変えるために風で浮遊するほど超軽量である。
テンセグリティ構造はタンポポの種子のように大地から離脱する。

自発的な風

直観的な好奇心に基づいて行動すればするほど
挑戦的で積極的になる。
それは競争心とは異なる。
直観的な好奇心は未知の領域に導く風である。
風の吹かない場所さえ移動させるその風によって、
風を探すのではなく
次の風が吹く確かな予感になる。

https://earth.nullschool.net