私は
コウモリが空を飛ぶ前に起きて
コウモリが
日没時の太陽の位置を頼りに
巣に帰ってくるのを見届けて
私も寝る。
コウモリは哺乳類全体の4分の1近くを占め、
森の樹上で生き続け
私は森の傍で生活している。
コウモリと私はまだ
太陽系に忠実な哺乳類だ。
これ以上の願いは叶えられないだろう。
「ベクトル」カテゴリーアーカイブ
瞞す、欺す、騙す。
意識的に
だまし易いのは市民である。
無意識的に
だまされ易いのは
自分自身である。
つねに誰かをだますために使われる
人間のエネルギーは膨大だ。
迷惑の起源
元来、どうしたらよいか判断に迷うときは
自分に対しても他人に対しても
「迷惑かそうでないか」の識別によって
考え分けるようにされてきたが、
最近はその起源すら忘れられている。
ひとに迷惑をかけないよう生きていたい
若い人が増えているという話を
若い編集者から聞いた。
実際、国家がこれほどまでに
人々に迷惑をかけている時に
いったい何が起こっているのだろうか。
どうしていいか分からないという
最大規模の「非常事態」が
国家の意志によって隠されている事実を
彼らはどうやって言語化できるのだろうか。
否、
「国家によって」ではなく
「言語によって」それが隠されているのだとしたら
記号言語のテクノロジーは
ついに国家をも支配している。
これはまったく新しい現実ではないだろうか。
自分に対する迷惑の識別が消えていく現実は
自己への配慮を欠いた
自滅的な世界に接近している。
痛みを知覚できなくなった神経細胞のように。
配慮
放射性物質の人為的な拡散で
本当の思考が始まった。
自分のことしか
思考できない人に
自己への配慮はできない。
非電荷と非電化
人間が考える、
電気をより使わない「非電化」エコロジーよりも
自然は、中性子や光子のように
粒子そのものを「非電荷」にすることによって
つねに他の電荷された物質と電気的相互作用をしている。
「電荷」はエコロジーの基本原理に含まれる。
放射線の1つであるベータ線は電子そのものである。
(しかし、アルファ線の正体はヘリウムの原子核である。)
そして、野イチゴの果実にも微弱な電流が流れている。
非電化された野イチゴは存在しない。
きり
何を期待しても何も変わらないから
何もしない人はいないが
それでも何も起こらない時に
テレビを見てはいけない。
何も否定できないように
きりのない明日が慰めてくれるから。
きりとは最後のものである。
(そして、元素の最後はウラニウムである)
分散
地震が多くなったのではない。
バイオスフィアは
長期的に大陸を移動させて
人類を分散させているのだ。
都市の構造が
バイオスフィアの進化に
適応していなかっただけだ。
(続)無為
明日できることは、
ほとんど今日でもできる。
しかし、今日できることは
昨日できたとは限らない。
昨日と今日の自分は
すでに同じではないからだ。
電気的気象
台風の後、すがすがしい朝が続いている。
自然には送電線は存在しないが
自然は電気的に制御されている。
非常事態
最古の津波と地震は
明らかに人類の起源よりも先行しているが
非常事態は自然科学の対象ではなかった。
さらに、
非常事態の定義と判断は
議会でも決まらなかった。