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(続)モバイラー

人間が大地を切り売りしても
マントルに浮かぶ陸地は、
係留する必要がないほど
動的な均衡を求めて
自律的に移動する。
大陸は2億年も浮かびながら
移動してきたが
その移動の原理は
船や飛行機の浮かぶ原理よりも
遅れて発見されたのである。
太陽からエネルギーを受容するかぎり
大陸は浮かび続ける。
しかし、土地資本主義という
前世紀までの
静止的宇宙観が
多くの人々の移動を
いまも困難にしている。
そしてそれによって
人々は互いに分断されているのである。

モバイラー

動物は一生のほとんどを
安全な住処で過ごしている。
より安全な場所へ動くからだ。
人間だけが自宅を大地に
固定したがっている。

カッコウの動機

初夏の夕暮れに
梅雨明けを思わせる雷が遠くで光った。
しばらくして、畑の近くの見通しの良い樹の上で
カッコウがまた鳴いている。
かなり能率のいい非電化スピカーだ。
平地でも半径500メートル以上はカバーできる音量だ。
谷間ならもっと共鳴するだろう。
彼らは自然との共鳴を
恋愛にも緊急時にも使ってそうだ。
互いの微妙なさえずりの違いを判別できる
文法があるなら。
否、これは自惚れた推論だ。
<彼らにないものはわれわれにもない>と
いう生成文法こそを想像すべきだ。
wb_2_049
<註>ネット画像から引用した映像。望遠レンズでも通常はカッコウにはこんなには接近できない。

手間

生きるとは、
死ぬほど手間のかかる時代になった。
そうしない人間が増えすぎたからだろう。

核燃料

核燃料はけっして燃焼しない。
間違った概念が人々を閉じ込めている。
酸化作用でない核反応に
水をかけても
燃えていない火は消えない。
プルトニウムを原子炉ではなく
大気圏に閉じ込めた専門家の概念を
信じてはいけない。
なぜなら、
彼らの概念でこの惑星には生き残れないから。

プレートダンサー

柔軟性を備えれば、
いくら年をとっても若い。
もっとも高齢で柔軟な物質は
大地だった。
彼らがゆっくり確実に永遠に動けるのは
マグマに浮かぶ
プレートダンサーだから。
都市はすべてにおいて
固体的過ぎた。

無人ロボット

原発事故処理のための無人ロボットは
福島の事故原子炉だけではない。
3号炉のプルトニウムの緊急事態に対して
情報公開しなかった
無能な霞ヶ関と東電にも必要だ。

原子核

太陽系に
エネルギー危機と
エネルギーの非常事態など存在しないように
すべての原子核はデザインされている。
このデフォルトをデザインした後に
生命を誕生させた真実を
理解できなくとも
受容する時がきた。

公衆電話

一般電話は災害に強い。
しかし、公衆電話のほとんどを
都市から撤去していながら、
公衆電話の無料解放とは不快だ。
公衆電話は、
ユーザの支払ったお金で
すでに原価償却済みの有線インフラだ。