そこを歩く人が多いだけで道ができる。
ある日、原理が発見されるともう一つの道が見える。
そして、最初の道は最短ではなかったことがわかる。
しかし、原理を発見するための
独創的な方法やルールも存在しない。
地上のどんな最短ルートも原理に至る道ではない。
「ベクトル」カテゴリーアーカイブ
コミュニケーション
読めば分かるが、
話せばもっとわかる。
会えばわかるが
暮らせばもっとわかる。
死んだらもっとわかるが、
なぜ生まれたかは分からない。
アウトドア
魚の数より釣人の数を、
つねに多くデザインできる。
孤独実験装置
いかに孤独で暮らせるかを知るには、
食料とエネルギーに対して自律的なシェルターがいる。
宇宙ステーションの船内は、ジャンボジェットの1.5倍程度もあり
居住空間と仕事場が分かれたゆったりした空間にもかかわらず、
まだその居住実験をしていない。
宇宙空間での孤独はもっとも危険な人体実験だからだ。
春先の畑に集まるモグラやへぴ、
そして蝶や小鳥がいない
浮かぶシェルターに暮らすのは
神秘ではなく他者との絶縁に近いだろう。
バームクーヘン
ホットケーキの素材が同じなら、そのおいしさは焦げ目で決まる。
バームクーヘンはホットケーキの変形であるが、
無数の表裏が円筒形になっている。
バームクーヘンは開放型の直火で、回転して生地を焼き上げる。
人生も「偶然と時間」という非閉鎖型の直火で焼けば、
美しい年輪のような焦げ目ができるだろう。
コピペ
美術館での模写は画家にとって重要な創造的トレースであった。
表現技術の模写は模倣ではないが、概念のコピペは模倣である。
それは、思考の放棄に近い。
あるいは思考の偽装だ。
拡張した道具
アリの巣はアリの生存機能を拡張した道具である。
クモの巣はクモの生存機能を拡張した道具である。
鳥の巣は、鳥の生存機能を拡張した道具である。
これらの道具もつ種族維持のための機能は、
鳥の一生においてきわめて部分的なものある。
生存と成長に必要な総合的機能のうち
つねに必要でない機能を
身体から分離しなければならないのは、
鳥が飛ぶことを選択したからだ。
人間の家は、人間の生存機能を一時的に拡張した道具である。
しかし、人間の一生においてきわめて部分的なものある。
あらゆる道具は、有機体生命の成長過程に
不可欠な機能を担う部分としてのみ宇宙に存在できる。
人間がつねに必要でない機能を
身体から分離しなければならないのは、
いったい人間が何を選択したからなのだろうか
バーボン
下町の夜の商店街を歩いていたときのことだ。
自転車の通行を禁止するアナウンスの最後に
インサートされた
「朝までバーボン、朝からバーボン」
という飲み屋の宣伝が気に入った。
田舎暮らしが長い私は
そういうお店が実際にあることに驚きながら、
「バーボン」を戦争という言葉に置き換えてみた。
そして、借金、仕事、男、女、携帯・・・・・
という単純に思いつく言葉を入れ替えるゲームに
しばらく夢中になった。
こんなゲームは森の中では思いつかない。
いま商店街の夜は、ネガティブな言葉が似合う。
森に帰れば私は相変わらず、朝からシナジェティクスだ。
問題と方法
学んだ方法を応用しようとして使えなかった数々の問題は、
学んだときと同じ考え方では解決できない。
つまり、こうした問題は解決方法よりも独創的なのである。
調和
物理的宇宙に現状維持は存在しない。
調和すらも動的だ。
現状維持はすべての動きを破壊してきた。