裏庭(背戸)」カテゴリーアーカイブ

偏光

コミュニケーション世界において、エコロジー派が扱う「自然」とは、あまりにも視覚的である。意味を考慮に入れない符号の体系が歴然と存在するにもかかわらず、エコロジーは確実に緑帯のスペクトルに偏光されている。
「記号−意味」化されすぎたエコロジーは、「広告」と「戦争」に通底している。
映画から俳優が消えたように、戦争ニュースから死体が消える。(これは、死体から石鹸を製造するより残酷な編集行為である。フォトショップは映画産業よりは軍事技術の副産物である。)

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「未知」と「宇宙」

社会科学において、情報は「発信者または受信者にとって何らかの意味を持つもの」として扱われる。「記号−意味」化された情報が世界のコミュニケーションを形成している。コミュニケーション世界において、「記号−意味」化された情報をもたない領域は「無意味=ナンセンス」と呼ばれる。
自然科学において、情報は意味を考慮に入れない符号として扱われる。例えば、存在しない物は数えられないという概念を打ち破ったのが、ゼロの発見である。
「宇宙(Universe)」には、この既知なる符号のすべてが含まれる。

一方、東洋のメタフィジクスにおいては、意味を考慮に入れない符号さえも存在しない領域は「無(Nothing)」として扱われてきた。「未知(Unknown)」とはこの「無」を含むすべてである(一方、コミュニケーション世界における「未知」とは、「記号−意味」化された情報の不在だけを扱っているのである)。
21世紀のもっとも新しい「自然(Nature)」の定義では、この「未知」と「宇宙」を含む。この「自然」という概念の劇的な変容は、ことごとく科学的原理の発見=既知なる符号間の新たな相互関係によってもたらされたものである。

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未知と既知のテスト

ブラックボックステストとは、システムの内部構造とは無関係に、外部から見た機能を検証するプログラムのテスト方法。
ホワイトボックステストとは、システム内部の構造を理解した上でそれら一つ一つが意図した通りに動作しているかを確認するプログラムのテスト方法とされている。
このテスト法の定義に従えば、地球温暖化は、
世界権力構造による化石埋蔵資源の数世紀間の燃焼実験による
完全なブラックボックステストである。

一方、エコロジー運動の人々が熱心に推奨する方法はホワイトボックステストではない。

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非対称性

二酸化炭素の増加率と地球温暖化には対称性があると考えられている。
しかし、植林によって自然林を再生させて
二酸化炭素を減少させ酸素を増加させても、
地球温暖化は防止できないのは非対称的である。
つまり、非鏡像的だ。むしろ隠れた相補性が多すぎる。
ブラックボックスとホワイトボックスの入れ子なのだ。

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巨大なラジエーター

もうじき日本列島全体が広域の暴風圏に突入する。
巨大台風、ハリケーン、竜巻は、巨大な掃除機や扇風機として捉えるべきではないだろう。
海面の上昇温度を上層圏まで吸い上げて冷却する熱力学的な装置である。
一種のラジエーターのような働きがある。
いわば、大森林が自然火災によって自らを消失させ、
森の極相林の平衡状態を破壊するシステムをも自己制御する仕組みに似ているだろう。

http://weather.asahi.com/gms/index.html
http://agora.ex.nii.ac.jp/digital-typhoon/

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ケミカル・アブストラクト

昨日まで地球にないと思われてきた新たな化学組成は、毎年20万種以上も作られる。
「ケミカル・アブストラクト」に登録された物質はインターネットで閲覧可能だ。
今のところ、他の天体に求めることなく、92種の元素の組み合わせで十分である。ただし一日100トンもの地球に落下する隕石に含まれる元素を含む。

※注「ケミカル・アブストラクト」(ChemicalAbstracts)とは、「化学の各分野をカバーし、関連分野の文献も検索できる、現在、世界最大・最高の化学の報知的抄録誌」

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2つのドア

ドアには2種類ある。
入口と出口である。
都会のマンションには、入口しかないが、
中山間地ではもう一つの出口がある。
それらは背戸(せど)と言われる。
背戸は、70年代の造語である里山と同義である。

ナロードバンドしかない360万世帯には
この背戸から、広大な裏庭が続く。
この裏庭は、落ち葉と雨水以外に何も生産しない場所だが、
他のどの裏庭にも続いている、
バイオスフィアのブロードバンドである。

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環境デザイン(1)

産業社会が日々排出する二酸化炭素量は問題にされるが、
日々消費する(正確には化学的な酸化作用)酸素量は問題にされない。
気体酸素は有限な資源だ。他の天体では製造されていない。
植物がない場所には、酸素もないという大気圏の生成の歴史は
バイオスフィアにいる限り、認識しにくい。

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