グランチ」カテゴリーアーカイブ

仮想的富

ビットコイン(仮想通貨)が
基軸通貨を脅かしている背景もまた
基軸通貨が中央銀行(日銀を含む株式会社という法人格)から
仮想的に発行されている<システム>の一部なのだ。
つまり、<図>と<地>の関係であるかぎり、
相互に交換可能である。
そのシステムこそ
資本主義の加速する膨大な利益を
仮想的な富に変換する過程で
実在する不可視なシナジー的な富を
搾取するための偽装システムなのだ。
仮想的現実を生み出す偽装現実こそ
グランチの欲望の住処となっている。

ロジスティクス

年末は年始の準備で忙しいが
忙しくする必要はないほど、物資は過剰だ。
成長する<空虚>を
無数の忙しさで充たそうとする
ロジスティクス(logistics)がある。
人々の要求を満たすための
<空虚>が生産されている。
それは、計算を基礎にした活動(=logistics)にちがいない。

配当金

配当金とは
ほとんど何のリスクも負わない資本主義という
新たな巨人による贈与である。
交換したいものが貨幣以外にない社会の
最大の、そして、もっとも凡庸な発明は
配当金である。

幻想生活

エネルギーを節約し
その集中から逃避する生活が
多種多様に編み出されてきた。
働かない未来の生活のために
無目的な生活を送っている。
いまや賃金労働はもっとも簡単な逃避行為である。

他人の思考

何かに心酔することは身を委ねる行為である。
熱狂的模倣は知を愛する代理行為でもない。
心酔や熱狂は他人の思考の巧みな変容形態である。
種々の変容形態が絶えず選択できる思考停止の時代に生きている。
思考停止こそ、新たな消費形態の不変的な根源であるから。

専制への予防

縄張りのある領域(ドメイン)の内部には
無数の絆がある。
長さの単位が長さを測定できるように
縄張りや手綱や絆という概念が領域を形成している。
歴史的にその領域の外側は、つねにその内部よりも広大だったから。
自由とは、そのような概念操作から
領域の内部や外部を形成しない<デフォルト空間>である。

見えない戦争

人々に移ろいやすい慰めを与え
外部的だけではなく内部的な権威から生まれる信念が
武力戦争以上の見えない戦争を形成してきた。
その歴史は圧倒的だ。
たとえば、米情報機関・米国家安全保障局(NSA)が
世界中の携帯電話の位置情報を極秘に集めるためには
権力テクノロジーと記号テクノロジーとを
融合させたアメリカ版特定秘密保護法が必要であった。
種々の計画的で危機的な状況を作り出すにあたって
信念をもって行動するように人々を教育しているのは
イデオロギーを問わずつねに政治家である。
そのためには政治家を権力テクノロジーと記号テクノロジーの
擬似的な専門家、あるいは科学テクノロジーの代理人に
仕立てるシステムが最初に必要である。
この見えない戦争は、冷戦中に始動した。
半世紀後、このシステムには<議会制民主主義>として
誤認識させるためのサブシステムがインストールされていることに
人々は気づき始めている。
日本では国家的メディアNHKによる
3.11直後からの人々を被曝させる<硬直した言語システム>が
それを証明しているだろう。

日本版NSC(国家安全保障会議)

日本版NSCとは
見えない軍隊である。
見えない予算で動く最強の軍隊は
不透明なのではなく
ステルスのように
すばやく自在に動く
透明な情報兵器なのである。
さらに、特定秘密保護法案によって
クラウドの外部だけではなく
その内部でさえ自在に
探査できるのである。