グランチ」カテゴリーアーカイブ

外部について

互いにあるがままの現実を見ることができない時間が
人生よりも長い時
われわれの意識が外部をついに圧倒する。
それは不完全な経済的標準や政治的秩序が
物理的外部の意識や細胞を何度も破壊するよりも
速く、そして頻繁にやってくる。

反常識

あらゆる科学的知識の起源は
反常識的である。
気体元素や原子核、そして細菌や
遺伝子などの概念に関する起源を知るだけでも
当時の常識がそれらの起源の標準になったことはない。
非常識は常識は覆せないばかりか
新たな常識を再生産するばかりだ。
つまり、反常識の起源を隠蔽するための
記号体系の起源とその支配構造がある。

グランチの配当金について

3.11以後の極端な陰謀論に人々は偏向してきたが、
その後もグランチの概念とその歴史は、金融資本主義の未来をも説明してきた。
『グランチ』の翻訳は現在進行中である。(監修・解説 シナジェティクス研究所)
☆2008年10月8日のブログから再び全文引用
「グランチは、世界規模の大量生産と大量流通のあらゆる投機的企業を創始するために
すべての金融資産を支配してきた。
非共産主義圏の金融クレジット・システムを意のままに動かすことができる。
グランチ(GR-UN-C-H)とは、全宇宙から真の富を現金化して奪う
見えない超法人格的な泥棒(GRoss UNiverse Cash Heist)〉を意味する。
負債総額、約64兆円のリーマンの破綻でさえその配当金額には及ばない。
1980年代のグランチはすでに一兆USドルを越える配当金を毎年支払ってきた。
そのグランチについて、われわれはあまりにも無知である。
『グランチ』は、1981年に出版された『クリティカル・パス』の直後に書かれた
バックミンスター・フラーの最晩年の著作である。
彼はあらゆる構造の歴史を扱った。
グランチという世界権力構造(Power Structure)も含まれたのである。
1960年代に書かれた『宇宙船地球号操縦マニュアル』に出てくる海賊のアナロジーは
『グランチ』ではいっさい使われなかった。
それゆえに、『宇宙船地球号操縦マニュアル』ほど理解されるまでに
半世紀の懐胎期間を必要とした。
同時に、グランチはますますひとびとの驚異になりつつある。」

『クリティカルパス』『シナジェティクス』『コズモグラフィー』と同様に
『グランチ』の日本語化に必要なバックミンスター・フラーの重要なタームは
すでに辞書化している。

続)構造について

構造の原理の発見者が
建築家であることは稀である。
建築(Architect)は、 構造ではなく
支配(arch)の歴史である。
支配(arch)は階級組織(hierarchy)を形成する。
支配(arch)は圧縮の歴史である。
そして、反建築とは、無政府(an-archy)を意味する。
構造を安定化させる原理は
本質的に無秩序(anarchic=支配のない状態)
から発見されてきた。

動的な順応

インフルエンザウイルスは、
有機体生命の細胞外では短時間しか生存できないので
その細胞内では自らの構造とパターンを
短時間に複製して生存する。
人間は社会の外では短時間しか生存できないので
社会の構造とパターンの模倣によって長期的に生存する。
その生存方法の歴史のほとんどは、
宇宙の中の人間の最適化のための順応ではなく
人間社会への服従にプログラムされる歴史である。
その服従のシステムを個々人が作り上げたプログラムに見せかける
個人主義的な世界像と刷り替える間に
ウイルスはより多くの細胞内で生き残るために
RNA情報革命を繰り返してきた。
彼らの情報革命は産業効率や搾取のためには使われない。
生存のための宇宙における最良の構造とパターンへの
動的な順応方法だ。

続)多様性について

1602年に設立された東インド会社は
アジア地域との貿易独占権を与えられた
最初の独占企業だけだったわけではない。
生物多様性をもっとも重要視していたからこそ
それらを新たに<分類>するために
1881年に自然史関連を独立させた大英博物館(自然史博物館)を
建造してまでコレクションしてきたのである。
投資がいっさい不用な
できれば生きたままの多様性を維持するための
持続的社会の形成こそ
世界初のグローバリズム戦略を
採用した最初の株式会社の現実的な構想であった。
チャールズ・ダーウィンの<種の起源>という概念は
<株式会社の起源>よりも約2世紀も遅く、
自然史博物館の設立とほぼ同じである。
世界中の生きたままの森や人間から
最適に搾取する以上の合法的で経済的な方法は存在しない。

自由について

間違いを認めない権力が含まれていないのであれば、
権力は持つに値しない。
これは外部の出来事であった。
自由への願望よりも
<自由からの逃走>によって
権力構造はより強化される。
自由を抑圧すればするほど他人への依存が高まる。
権力はいまや内部化している。

クレジット(credit)

小さなグループは
無数のより小さな政府をコントロールし、
小さな政府は国営事業の民営化・私企業化(privatization)や
規制の撤廃、国有資産の売却などを行ってきた。
原子力発電事業も完全に私企業化されている。
それらは
クレジットシステムをより一点に集中するためである。
クレジット(credit)は
かつては「真実性を信じる」言葉であった。
21世紀の生存に対する不安や恐怖、
そして
放射性物質は
このクレジットシステムから
つねに放射されている。

唯一無二への幻想

自然は92の元素を修理することなく
無限にその機能を<掛け替え>ている。
自然は
元素が中古品にならないように
デザインした
最高のプロダクトデザイナーだ。
否、プロダクトデザイナーには
クライアントがいる。
自然のデザインには
クライアントが存在しないのが
グランチの最大の嫉妬の対象である。
それ故に
彼らは<掛け替えのない>
唯一無二の自然をでっち上げている。