グランチ」カテゴリーアーカイブ

逃亡する生活

読みたい本よりも
より大きな蔵書ファイルを持ちたい。
聴きたい音楽よりも
より大きな音楽ファイルを持ちたい。
使うお金よりも
不足しないお金を貯金したい。
それらによって
生きたい人生よりは
より長い時間を生きたい。
こうして
使うエネルギーよりも
不足しないエネルギーを発電したい
社会が支持されてきた。
失うことの不安から
逃亡するテクノロジーよりも
より少ないエネルギーと物質で
野生の現実を生成するために
自然は無数の原理を用意している。
ーーーーー重さもなく不可視な究極の存在形式を。

<絆>実験

かつては木が死にはじめたら
地球の変化の始まりであったが
子どもを疎開させないで
ストロンチウムとの<絆>実験は
環境ではなく
宇宙への適応性の退化の始まりだった。
国家と私企業による
もっとも残忍な観察行為となった。

4つの放射的思考

原発事故後、反原発の可能性は4通りで議論された。
したいけど、できない。
できるけど、したくない。
これらは対称的(鏡像)思考から生まれる。
できないけど、したい。
したくないけど、できる。
後者は反対称的思考から生まれる。
つまり、5番目の
<どんな場合でも太陽系ではしない>
または
<どんな場合でもバンアレン帯の内部ではしない>
は含まれなかった。
統合された思考はつねに奪われている。

続)クレジットシステム

恐慌のための「準備」とは預金準備であり
冷戦のための「準備」とは核軍備であった。
この2つはいまも世界を分断しづけている。
もっとも効果的に
クレジットシステムをより一点に集中している。

クレジットシステム

「アメリカでさえ1979年のスリーマイル原発事故以来、
新規の原発建設が30年間凍結されてきた」
という主観的事実が原発爆発後の日本を何も変えなかったのは
個人が日々使用するクレジットシステムが
最大の客観的事実になってからだ。
それはちょうど100年前に決められたシナリオどおりだった。
ウッドロー・ウィルソンアメリカ合衆国大統領(Woodrow Wilson)が
<連邦準備制度理事会(FRB)条例=連邦準備制度>に調印したのは
ちょうど1世紀前の1913年である。
その連邦準備法によってアメリカのお金を発行する権利が
国際銀行カルテルに引き渡されたのである。
「準備」とは「預金準備」の意味であった。
その制度は世界恐慌にまで拡大したアメリカの金融バブル崩壊を
防止するどころか、連邦準備制度が明白な意図的な不作為によって
事態をより深刻化させたのである。
「私はもっとも不幸な人間です。
私はうっかりして私の国を滅亡させてしまいました。
大きな産業国家はその国自身のクレジットシステムによって
管理されています。
私たちのクレジットシステムは一点に集結しました。
したがって、国家の成長と私たちのすべての活動は
ほんのわずかな人たちの手の中にあります。
私たちは文明化した世界においての支配された政府
ほとんど完全に管理された最悪の統治された国家に陥ったのです。
もはや自由な意見による政府、信念による政府、大多数の投票
による政府はありません。
小さなグループの支配者によって拘束される政府と化しました。」
         ——————–ウィルソンアメリカ大統領
小さなグループの支配者は現在も<グランチ>の頂点にいる。

雑草の定義について

「たえず外的な干渉や生存地の破壊が加えられていないと
その生活が成立・存続できないような特殊な一群」
この植物生態学による都市依存型雑草の定義は
ある種の日本人も定義できる。
その一群とは<絆>社会である。
数十年間に及ぶα線、β線、γ線による
究極の持続的な破壊によっても
存続する社会を形成しようとしている。

内部について

植物には内部のテクノロジーがある。
植物は光と水と空気と大地だけで生存できる。
光と空気をまだ買わなくても暮らせる間に
権威からの離脱と服従への拒否は
この惑星で生き残れる
高度な、そして
もっとも単純な大気圏内のテクノロジーになった。

外部について

プルトニウムを原子炉ではなく
大気圏に閉じ込めた専門家の知識を
信じてはいけない。
彼らにとって大気圏は
ついに見知らぬ外部であったから。
彼らの知識では
この惑星には生き残れないだろう。

開放系哺乳瓶

人間の安全な成長のために
家庭から学校まで繋がった一つの哺育器が作られた。
その保育器の中のすべての家電は
原発の巨大な湯沸かしのタービンで
発電した電気エネルギーで繋がっている。
その保育器に相応しい
巨大な黒い鉄の哺乳瓶だ。
2年前からその底には大きな穴が開いている。
この哺育器で人間を育てる実験は失敗したが、
だれもそこから出て行かない実験が始まった。
哺乳瓶が先に最新型の開放系になったから。

想像力(image-nation)について

孤立した場所にいる人々は
太陽光発電や風力発電が不足したときに輸入でき
そのエネルギーが過剰なときに輸出できるシステムを
構築する必要がある。
蓄電の発明によって
エネルギーの自律度は向上するが
そのシステムへの相互依存がより少なくなるわけではない。
孤立によって不足や不安が増大するのではなく
孤立によって想像力がより増大し
都市文明とは別のより小さなモバイル文明へと移行する可能性がある。
なぜなら、そもそも想像力(image-nation)は
かつて<国家の幻想>を作り上げたのだから。
実際、都市部と農村部の交流は
もはや前世紀の経済様式になってしまった。
少なくともグランチは
分断して征服したその富を永遠に独占するための
想像力で互いに結ばれている。
グランチはより少ないグランチで統合され
いまやほとんど不可視である。
ーーーーー重力のように。