グランチ」カテゴリーアーカイブ

空気メーター

炭素税は測定器がなければ存在しない。
資本主義は、水も電気もガスにも、精密なメーターをデザインしてきた。
(そして情報に対しても課金してきた。すでに電気代よりも高い)
しかし、大気圏内にいるがぎり
誰でも安全に空気を無料で直接摂取できる。
1915年、マルセル・デュシャンは、
資本主義の空気に対する希少化の不可能性を攻撃した。
「自分が呼吸する空気にお金を支払わねばならない社会を作りだせ。
空気メーターによって、禁固刑または空気の希少化を行なうこと、
料金未納の場合は必要に応じて窒息(空気だけを遮断)させよ」
革命後のロシアには、水道、電気、ガスのすべてのメーターは存在しない。
これはイデオロギーの問題ではなく、
精密なメーター製造と設置のコストの問題から経済的に判断した結果である。
イデオロギーで二分された地球人口の約半分は、
現在でもエネルギーは欲しいだけ使えると感じて生活している。
マルセル・デュシャンのコンセプチュアル・アートは、
イデオロギーのエネルギー・メーターに対する欲望がある限り、
美術館を超えて大気圏内で存続するだろう。

絶縁

地デジ対応の高性能液晶テレビと番組との関係は、
すばらしい器に載せられて出される貧弱な料理に近い。
二度とそのレストランにはいきたくないものだ。
ニュースは、テレビではなくネットに繋がった
液晶モニターから注文する時代になって久しい。
しかし、
まやかしのない料理を食べるために
注文の仕方自体のリセットを忘れていたなら、
ユーザがそれまで属していた馴染みのある
局所的ネットワークから完全に絶縁することはむずかしいだろう。
どのレストランにも失望したなら、
いまこそ『クリティカル・パス』(バックミンスター・フラー著、白揚社)を
読破する状況になっている。

計画的失業

必要なものだけ買うよりも欲しいと思うものを買うと、
すぐにGDPは上昇する。
必要なモノは有り余っているから、
人々は失業している。

友愛革命

真のコミュニケーションは、
相手のことを深く理解し、
それにもかかわらず相手に好意を感じるかで維持される。
つまり、経験的に相手を理解すると不快になるような
システムを意図的に作れば、
人々は互いに理解しないようにするだろう。
友愛革命には、
このシステムがもっとも機能しやすい。
不況と友愛は、非鏡像的だが相補的だから。

借金を負わせ、その金利で富を増やす連中がいるかぎり、
富は奪うか奪われるかである。
富はつねに誰かの借金で形成される。
しかし、最初の富は、人間以外が考案し、
そして与えたシステムだ。

経済恐慌

たとえそれを知らなかったとしても、
知っていることだけを話されるのは嫌いだ。
自分で考えたことを最初に話してくれ。
そうすれば、もっとみんな考えるようになるだろう。
考えるだけで、
少なくとも今の経済恐慌はなかっただろう。

ゴシップ(gossip)

ゴシップ(gossip)は、
うわさを触れ回る人(gossiper)と同じ
福音、信条(gospel)を語源としている。
さらに、道中無事の祈願(Godspeed)に関連している。
本来の噂は神の情報から、
不安は情報レスから、
恐怖は無知から生まれる。
つまり、前世紀から、
噂は神に代わって、
マスメディアが担当しているのである。
現実は脳から生まれるというのは、
新しい噂である。
マスメディアに代わって、
脳が自発的に担当できる可能性はある。
少なくともイルカの実験では成功している。

返済期間

貨幣は借金奴隷制度の確立のために発明された。
3年間の支払い猶予は画期的だが
気安めに過ぎないのは、
人類の返済期間は確実に数百年間続いているからだ。
これ以上の経済的でグローバルな牢獄があるだろうか。