シナジェティクス研究所のブログに投稿
「グランチ」カテゴリーアーカイブ
矯正する空間
住宅の空間機能は人間の意識を
矯正する空間になるばかりか
精神病を発現させる可能性が高い。
仮設住宅でその隠れた機能は
短期間に、そして
最大限に現実化する。
本来の空間機能は
物事の在り方に気づき、同時に自己との関わりを向上させる。
自分を住み家を、自分で作り出し
自分で管理し、修理できない哺乳類は
人類だけである。
住み家制作を専門分化し、その所有のみに従事したのは
怠惰に矯正された結果である。
これまでの住宅の空間機能に
エネルギーと食糧、そして水の包括的な再生装置が
まだ組み込まれていないのは、
意識的な進化を自負する哺乳類としては、もっとも不完全で
不健全である。
構造はその定義と共に崩壊した
解体すべきは、十八世紀以来、構造の幾つかの本質の定義に使われてきた
特性、アプリオリな固体的概念、安全性、経済性、耐久性などの総体である。
構造の定義の重要さは、想定した範囲内では崩壊しないと断言してきたことよりは、
むしろ構造の定義は、構造の発見によって
つまり、シナジェティクスによって、たやすく覆されたことである。
構造の定義は、構造の発見の後にやって来たのである。
つまり構造は、シナジェティクスより前には存在していなかったのだ。
徐々にではなく、つねに急激に
宇宙の原理の発見によって
産業の次に経済が、経済後の政治によって、
それまでの人々の生活水準に関する種々の制限を
徐々にではなく、つねに急激に突破してきた科学産業史を
政治は無視していることで政治は成立する。
人権や自由は、
エネルギーや食糧と同様に、工業化の諸段階において
徐々に制限されるべきだなどとは
企業にも政府、そしてメディアにも言えないのだ。
アジア的デザインサイエンス
雨水から、そして生活雑水やトイレの複合タンクから完全に
飲料水を再生し、永遠に循環させるた独自な自律的インフラを設備する
非・資本主義的なモバイル・シェルターは、
西欧文化の圏外にしか生まれないにちがいない。
アジア的デザインサイエンスは
あまりにも資本主義に特有な権力構造によるインフラ課金形態を
越えなければならない。
アジア的デザインサイエンスにクライアントは不要だ。
宇宙の原理群の純粋なユーザとなることによって
最小限の大気圏内モバイル用の宇宙船を建造できる。
アジア的デザインサイエンスは
エネルギー生産だけではなく
稲作を中心とした食糧生産のテクノロジーと
水の完全再生テクノロジーとを統合するであろう。
動くシェルターは、つねに動くバイオスフィアと相互作用する。
クリティカル・パスの形成
デザインサイエンスは
可能な解決を退けるような
専門分化した解決方法や批判を破壊するのではなく
プロトタイプによって
それらを陳腐化する実践行為とそれを支える理論化過程を含む。
その過程で
はじめてモデル言語を理解することができる。
その言語形成の能力が
講義や読書などの学習形態から習得されることはないだろう。
机上の耐震基準では生存できない理由
1.
すべての構造は
最終的にその構造毎に破壊実験をしなければ
耐震基準を満たしているかどうかは不明である。
2.
さらに、耐震基準は
同一の構造でも設計者の方針によって異なる数値となるので
構造解析プログラムを用いてほとんど簡易に算定されている。
3.
基本設計を担う建築家は
この構造解析プログラムにはまったく不慣れである。
彼らは専門性によって構造解析を分業する。
4.
しかし、設計者自らが構造解析プログラムと連動してデザインする自動車や飛行機は
量産される前に破壊実験をしている。
その設計方法の根拠は破壊実験を通してのみ
構造解析プログラムが修正される関係にあるからである。
(量産されるプレハブ構造以外では経済的に破壊実験を実施するのは不可能である。)
5.
耐震基準と実際の構造物は
つねに机上の理論(desk theory)で仮想的に関係してるだけである。
6.
土地資本主義から引き継がれた
グランチの時代遅れの方法論で建築ビジネスが維持される時
建造物の崩壊で死ぬ可能性は机上の耐震基準ではけっして軽減されない。
7.
真の構造は仮想的な関係を
完全に排除する科学から生まれるのではなく
その科学的方法によって発見されるだけである。
以上の理由から
人類は、机上の耐震基準ではバイオスフィア内には生存できない。
デザインサイエンスの目的論
テクノロジーの社会的役割は
記号的現象の上にその現象に抗して
新たな記号を打ち立てると共に
その記号に新たな現象の生成と目的を与えることにあるだろう。
テクノロジーは
個人による自由な発明という形式のもとで
新たな記号と目的論を相互に相殺する機能を持っている。
アインシュタインによる冷蔵庫の初期の発明には
力学的、熱、化学、電気、光などのエネルギーは
それぞれの形態に移り変わるがエネルギーの総和は変化しない
というエネルギー保存の法則による
具体的な操作主義が介在していたように。
そして、第一次世界大戦において
その兵器ではない発明が
外洋上の兵站戦の最重要な軍事的テクノロジーを形成したように。
21世紀のデザインサイエンスによる
テクノロジーと目的論は
モバイルシェルターの発明なくして
ほとんど機能しないだろう。
貧乏という概念
貧乏(=持たざる者)は自然には存在しない。
土地資本主義や金融資本主義だけにとは限らない。
貧乏という概念は人間社会の中でしか存在しない。
貧乏はそれを孤立化させていく感受性の諸形態、
または、それを排除し集合させていくシステムに存在する。
知的な弱者も、自然には存在しない。
すべての自然の相互作用は知的である。
分析のみのメカニズム
個人をビッグデータとマイナンバーで統計的に把握するのは
個人の性別や年齢以上に
個人の職業以上に、どんな目的に従事し、
何を消費し、組織に貢献できるかを見極め、
個人を評価するシステムであり、
政治的権力のみではなく
学校、オフィス、工場を巧妙な規律と矯正によって
合目的に適応させていくあらゆるメカニズムである。
それらの認識を可能にさせる
知の形式として科学も同じシステムの中で
異なる機能を果たしているだけである。
自由へのメカニズムは、束縛されたままだ。
自由へのメカニズムを探査する哲学さえ
いまや自由が拘束される必然性の分析のみに陥っている。
民主主義と真理の探究という看板の表裏で
<宇宙の富>はますますグランチに所有されている。