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入学式

いつ監視されているか、いないのか分からないままに、
すべての方向から監視されている監獄建築(=パノプティコン)以上に
われわれは、監視され矯正される社会構造の一員になる日から
逃亡する最初の機会は、
父兄が円形状に監視している入学式の午後である。

そして、森の中で、
できれば海の上で、
シナジェティクスを開始する日なのである。

概念の牢獄

シナジェティクスを学ぶと
ある種の学生には
驚きを打ち消すための錯乱が発生する。
10歳以下の子供にはほとんど見られない現象である。

自分たちを教育したそれまでの学習方法を肯定するために
そして、専門化への分断化を陳腐化するすべてのプロセスに
敵意を抱く習慣のある学生たちに発生する
無意識的に隠されていく錯乱ほど
自己弁護に塗れた<概念の牢獄>はない。

<概念の牢獄>への若き伝道師は
計画的にそして経済的に無数に作られる。

大脳生理学的な理論に基づいて
イニシャライズが手遅れになるように
その錯乱は、個人的で主観的で
そして、局所的に終わるのである。

許容の限界

学習は、許可と禁止という分割思考によって征服され
認識には、最適と見做される平均的思考方法が定められ、
行動に関する許容の限界が無意識的に形成される。
(例えば、シナジェティクスが幾何学として、
デザインサイエンスがデザイン学として専門分化の限界内で認識される。)

こうしてた学習方法と擬似的な思考の構造は、表裏一体となる。

許容の限界は
ついに<個人的な選択肢>として受容され続けている。

こうして、両親の愛情と共に
人間の直観と詩の一行は去っていく。

集団で作動する多様なこうした力関係から
絶縁するテクノロジーがシナジェティクスである。

テンセグリティ・ストレス

圧縮材の細長比が適切であれば
テンセグリティの自重や外力から生じるすべてのストレスは
張力に変換される。

真の構造では、ストレスはなくなることはない。
そのストレスで構造はより強化されていく。

しばしば局所的に
その対称的な均衡が減衰しているように見えるだけである。

テンセグリティ・ストレスは
結合力に変換される。

固体的空虚

人々はもはや消滅した構造が残した空虚の中でしか
思考することはできないのだろうか。

シナジェティクス原理の発見が
大地に依存しながらも地震を憎む構造の終焉であるとすれば
デザインサイエンスは反建築への起爆になるだろう。

移動しない構造は、思考の空虚を充填させるものでも
埋められた固体的空虚を穿つものでもない。

生き延びる構造は
振動数と角度から生成されているからだ。

健康と人口さえも

コンビニとアマゾンは
電気や上下水道のように
すでに社会インフラ化している。

個人を高齢化するまで
都市に定住させるためのテクノロジーは
動的なテクノロジーによって形成されている。

10兆円規模の多国籍企業は
政治経済に影響を与えるだけではなく
健康と人口に関するビッグデータの
解析能力とその未来予測に影響を与えている。

教育が個人の選択に応じて自らを変えることを可能にするように
21世紀のこれらの社会インフラ化は
個人の選択に応じて自らの好みと健康、
そして思考を変えることを可能にする。

しかし、無数のユーザからは、自分の主体性、自分自身との関係を変える
テクノロジーとは無関係であると思われている。

自己エコロジー

構造は大地に自らの自重を流す技法によって
その構造安定性と構造の自立性に関して
定義を失ってしまった。

建築の疑似構造は
大地は不動ではないことで
大地が生成された流体地理学を
けっして受容しなかった。
彼らは津波に対向できるより大きな固体を
<浮かぶ陸地>に建造するだけである。

流体地理学と共存できないゆえに、
同時に、エネルギーと食料の生産技術は
建築の疑似構造によって権力行使の中に組み込まれ、
さらに後には、
医療や教育、美術といった記号システムに統合された。

自己エコロジーは
<真の構造>の発見する自己のテクノロジーと共に始まる。

記憶している森

ひと雪ごとに、春になり
きょうから一雨ごとに、花粉が減る。

森の衰退による農業生産性の低下
(例えば、化学肥料による高コスト化)以上に
医療費の増大に伴う工業生産性の低下なども包括的に研究されていた
とは想像できないほどに
彼らは思考の奴隷化に成功したのだろうか。

花粉症は
敗戦国の生物的奴隷化であるが
惑星地球上での杉の相対的存在度を復元するならば
日本はまだエコロジー的に優位な場所にあるだろう。

地球表層部の化学組成ですら均一ではない理由がある。
岩石圏に集まりやすい元素群や
金属相に集まりやすい元素群の無意識は忘れられている。

杉と言えども
太陽系内物質であり
植林による杉の分布は
太陽系存在度を記憶している森に
従うべきである。

直観と美

エネルギーと食料、そして住居を個人が生産しない場合、
政治権力は意識や思考に作用する。
さらにいっそう個人の身体に対して物理的に働きかける。

人々を物理的・空間的に都市と農村に
巧妙に配置することによって
思考と消費の流れを作り出すばかりか
人々の無意識と直観、そして美を遮るまでに成長する。

政治権力が
呼吸、姿勢、モラル、身体動作、空間認識・住居や車のデザインなどを
人間に強制するだけではなく
その方法までも支配するという現実を理解する方法を
だれも研究しない。

エネルギーと食料、そして住居の包括的な生産方法を
個人がその歴史とノウハウを理解する過程で
そして、それらを直観と美のみにしたがって
自発的に学習する時、
政治権力の起源を想起することが含まれるだろう。

個人はことごとく遮られている現実を識るために、
そして、
それと絶縁するためのテクノロジーを習得する前に。

正常化する技術

秩序で正常化させる技術は
メディアの内部、学校や国会で使われる。

権力による正常化のノウハウは
役所や工場、オフィスなど至る所で
もっとも平均的な思考力とともに
定着する。

メルトダウンを隠蔽する技術は
それを公開する技術よりも優れていたが
メルトダウンを正常化する技術は
時間以外に存在しない。