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補給戦

今回の人道支援は、明らかに後方支援を拡大する目的であり
ロジスティクスとしてのイスラエルへの補給戦であった。
後方支援を人道支援に見せかけた日本政府は
人質の救出劇をも演じる側にあったのだ。

代理人

外務省の情報収集と分析には、成功も失敗もない。
それは、解放交渉する側の行為ではないが
情報の公開もしないなら、絶望的な機能だ。
つまり、様々な情報に接するだけなのは
代理人を雇用するからだ。

流れ(stream)

金と情報の流れは、権力構造のヒエラルキーの下部への流れ。
日本政府が情報収集しかできないのは
世界権力構造の下部組織だからだ。
この権力構造の流れの支流から本流へと逆流できるのは
政治交渉ではなく、人間の<対話>だけである。

会計学

人道的支援は、政府の高官などが密約で交わす政治戦略の変形ではなく
「身代金2億ドル相当の医薬品や食料などを、
イスラム国の支配地域で暮らす難民に
赤新月社(イスラム諸国での赤十字社)を通じて援助すること」であり
政府が主導できるものではないのだ。
ロックのチャリティコンサートの会計学と同じだ。
分断して統治するグランチは、この会計学を一番嫌っている。

遅すぎる国家安全保障会議

人質救済のための日本政府の国家安全保障会議は
まだ機能していない。
人道的支援を正当化する方法で
欧米流の平和を望んでも
平和は、正義と爆弾から作られてきた。
地獄の季節を隠すほど、メルトダウンしている平和が怖い。

寄付と身代金

人道的な支援は、個人、企業、政府からの寄付で賄われてきた。
寄付と身代金は、世界経済の過半数になりつつある。
戦争と平和の均衡は、いまや不労収入で賄われている。

ブラック vs ホワイト

ブラックホールとホワイトホールは
宇宙に実在する。
ブラックボックスとホワイトボックスは
テクノロジーによって発見された概念だ。
(スティーブ・ジョブスは、ホワイトボックスのパソコンから販売した。)
ブラック企業とホワイト企業は経済的で
ブラック国家とホワイトハウスは政治的な概念だ。
国民からの借入金を国民の借金と定義する日本政府よって、
裏切られた経済は、1%の富裕層を達成した。
日本政府は、海外では表現の自由を求めながら
国内では秘密保護法を制定する。
悪党と保安官が織りなす
白・黒映画の安上がりの西部劇は終わらない。
その保安官は、人質一人1億ドルの日本人の相場を検討している。

復興に多くの人々が関わりながら
それでいて被災者を孤独のままに置く
センチメンタルなこの方法を
心理学的に、経済的に、社会学的に、人類学的に
哲学的に、そして科学的に分析し批判しなければ
本当の幻想はやってこない。
現在への幻想は、
過去の欺瞞や未来の偽装からは
けっしてデザインできない。
絆という記号を作り出した映像作家や音楽家を
最初に分かりやすく批判するだけで終わってはいけない。
——–背後のプライムデザイナーという巨人を知らないで。