コスモグラフィー」カテゴリーアーカイブ

観察者

未知なる存在は、
自然に含まれるが
自然は、
さらにシナジーに包括される。
部分から推測できないシナジーの働きを発見するまで
観察者に<全体>が存在しないのではなく
観察者が<全体>に含まれるまで
不可欠な<部分>は存在しないのである。

一番騙し易いのは、弱い自己ではなく脳である。
感じないようにしている場所が騙されるのである。
脳は言語というフィルターがない場所を求めている。

非同時的な飛躍

理解には越えられない固有のタイムラグがある。
毎日少しずつ努力するのは儒教的な習慣であり
真の理解にはそれほど効果はない。
目的に接近する生産性を改善するよりも
目的に接近する方法に変化が生まれる時に
必要とされる物事の形成に飛躍が生まれる。
しばしば真の飛躍は
人間の考えた方法を超えた時にやってくる。
そして、その構造と意味の劇的な変容を理解するための
不可避なタイムラグが生まれる。
非同時的なタイムラグこそが生命の解体期間だ。

概念の死

新しい経験から新しい概念はすぐには生まれないが
優れた研究開発のほとんどは
先行する概念の破壊過程に関わっている。
その作業履歴は、結果よりも重要である。
なぜなら、自然はどのプロセスにおいても
自らをけっして陳腐化しないから。

コズモグラフィー

自分と自分以外のすべて以上の
物質と生命は存在しない。
鉛筆と消しゴム、磨り減った机、
埃や岩石、自転車の影、
遠くの錆びた戦車と近くの靴底、
真夏の雑草の表面温度と地表温度、
そして、汚れたラジエータや測定した北風と
爆破された偶像や見えない太陽黒点すらも
<自分>以外のすべて。
そのすべての環境に関心が向けられる時
すべてを包み込む関係が生まれる時が
<宇宙の中の人間>が始まる瞬間だ。
自分を内部と外部から非同時的に見る
コズモグラフィーによって。

自然のデザイン

計画的な改善は、やがて発明へと開花する。
しかし、予期しない原理に導びかれる過程で
はじめて自然のデザインの存在に気づく。
自然のデザインを深く理解するには
しばしば社会的言語との絶縁とその苦痛を伴うだろう。
しかし、この自覚の芽生えから
再び予期しない計画的偶然に出会えるように
探査に伴う孤独さえも受容できるにちがいない。

火星移住計画

食料やエネルギー、住居の
生産方法とその過程から隔離された
静かで豊かなライフスタイルが
絶望的な生活のはじまりだとは想像できない人々の対極に
火星移住計画がある。
火星でのライフスタイルは
ハイテクだが前例のない動的な第1次産業から始まる。
遠隔でバイオスフィが複製されるかぎり
微量元素の大地に依存した農業なしでは、
火星の大気圏内では人類の生命維持はできない。
火星移住計画で水耕栽培がついに否定されたのは
コストや管理技術の問題ではなく
生命維持において、
微量元素に依存したエコロジーの神秘を受け入れたからである。
地球惑星での限界集落化する村々への
定住促進に伴う静的なすべての概念が打ち砕かれるのは
神秘を否定した地球惑星での静的な農業さえも、短命であるからだ。

関係

そのすべての環境に関心が向けられる時
すべてを包み込む関係が生まれる。
その関係は無数だか数えられるだろう。
数えられる関係こそが
人間が知らない<他>を愛する時間だ。
知らない<他>は
理解できない70億の人間の
無限の時間からは生まれない。