雪原から見る西の空では
太陽と、その黄道の軌道面に
月と火星、海王星、そして金星、水星までも
互いに接近する。
(月と金星は昨夜はほぼ重なっていた)
それは、三角形状の山羊座と重なる時刻だ。
放射冷却が始まった。
明日の朝は車のドアは凍って開かないだろう。
「コスモグラフィー」カテゴリーアーカイブ
エンベロープ (envelope)
自然の構造とパターンは発見されるのみである。
その発見に典型的知性ほど無力なものはない。
インフルエンザウイルスやエイズウイルス、
エボラウイルス、そしてノロウイルなどの
エンベロープ (envelope)という外皮の構造とパターンは
すべて例外なく正20面体の対称性を備えている。
しかし、人間はこうした外敵を防御する自律的で経済的な外皮構造を
生得的にまったく備えていないので
30年ローンで高価すぎる固定された外皮を購入することで
環境との調節をはじめた最初の哺乳類である。
その環境を制御する方法は、まだウイルスほど科学的とは言えない。
うねぼれと希望が交錯する期待感から
新たな構造とパターンをデザインすることはできない。
有用性
発見の報酬は、仕事ではなく新たな有用性の生成である。
そして、連鎖していく発見の無限性との関わり方である。
これ以上の有用性があるのだろうか。
破壊実験
核分裂連鎖反応を人工的に起こす方法の発見は
国家権力が介在する巨大プロジェクト(=マンハッタン計画)
による成果であった。
原発爆発の科学的な原因究明と設計責任の公開を
前提とする国家プロジェクトを形成しないまま、
原子力に関わる日本の科学技術者たちは
原発爆発後も原発を再設計し、施工し再稼働することを選んだ。
想定外の出来事の場合は
すべて自分たちの失敗でないとする思考から
安全な設計方法は生まれない。
自動車や飛行機などの工業製品は
すべて破壊実験から安全性をデザインしている。
破壊実験に想定外は存在しないからだ。
日本の原発は、破壊後の人体の被曝実験を含めて実験済みである。
同時性から非同時性へ
真に新しいことは誰も知らないから
同時的な競争は生まれにくい。
競争では、短時間を競うゆえに、しばしば古い道が採用される。
単独者として思考した場合
他者と同時的に新しい同じアイデアに到達することは不可能である。
独創性は、社会に同時性を求めないだけでなく
他者によるアイデアの評価にはタイムラグがあるから
意図的に評価を他者に求めない行為をどれほど持続できるかに関わっている。
(同時的な評価は、むしろアイデアの新規性の乏しさ、そして
しばしば革命性の排除を意味するだろう。)
学習が同時的競争意識と同時的な評価基準で方向づけられている限り
既成の知識の理解度の競争しか生まれない。
にもかかわらず、この同時的な競争方式が採用されやすいのは、
簡単に管理し予測しやすかったからであるが
この競争が科学研究分野で適用されば、独創的でも
そして、経済的でもなくなる。
アイデア(続)
人間を管理するアイデアしか浮かばない社会に
原子炉は管理できない。
原子核は人間よりも
自由で自律的な安定を望んでいるから。
単独者
信憑性(credibility)は、証人を必要とするが
真実性(truthfulness)は、単独者のメタフィジクスから生まれる。
真実性(truthfulness)
正直でない人が
知識と金を増やせば、偉くなるよりも
早く狡猾になる時、
誤りと無知とによって作られた幸福が訪れる。
無傷の正直さは、幸福の基準ではない。
正直さは、真実性(truthfulness)の源に違いない。
再生的(regenerative)
シナジェティクスが革命的なのは
つねに独創的な概念から作られてきたからではない。
シナジェティクスは自然を模倣しないからだ。
自然が自然を模倣しないように。
自然は自らを再生的(regenerative)にするのみである。
もっとも暗い夜
この冬至は、もっとも暗い闇夜から始まる。
地球の公転面(黄道=大円)の垂線に対する地軸の傾きだけではなく
月の白道という天球上における月の見かけの大円に対する月軸の傾きの
組み合わせからこの闇夜がやってくる。
この暗闇からゼロセッティングすることは
互いに距離を隔ても
動くものは動くものに影響を与える太陽系において
もっとも単純で高度な原点設定方法である。
われわれは、優れた遠隔技術を有しながら
互いに動きながらより密集する都市に住んでいる。